明らかになったセブンの沖縄進出作戦 「250店計画」と「省人化店舗」の衝撃:セブンの開発力を結集(1/2 ページ)
セブン‐イレブンが7月11日に沖縄県内に14店舗をオープンする。2024年7月末までに約250店舗の出店を目指す。ライバルを蹴散らすためにどのような戦略をたてているのか。
セブン‐イレブン・ジャパンは7月10日、沖縄県への出店計画を明らかにした。7月11日の午前7時、那覇市や糸満市などに14店舗を同時オープンする。2024年7月末までに約250店舗の出店を目指す。
初出店を記念した地区限定商品を発売
セブンは初出店を記念して、沖縄県になじみのある地区限定商品を発売する。高い商品開発力を生かし、差別化する狙いがあるとみられる。
ラインアップとしては、ごはんのおかずとして沖縄県で親しまれている「ポーク玉子」を使った「ポーク玉子おむすび(ツナマヨネーズ)」(237円、税込み、以下同)や、「TACORICE(タコライス)」(496円)などを用意した。
もりそばも現地仕様にしている。宮古島市産の玄そばを使用した「もりそば(宮古島市産玄蕎麦使用)」(432円)は、そばの香りやのど越しの良さが特徴だという。
ホットスナックが沖縄で支持されていることを意識したのか、骨付きモモ肉のフライドチキン「ドラム」(270円)や沖縄で人気の薄衣仕立ての骨付きチキン「サイ」(270円)などを用意した。ちなみに、ファミマの人気商品に「ファミチキ」があるが、沖縄の店舗では骨付きのフライドチキン「フラチキ」が人気となっている。沖縄県限定のイメージキャラクター「フラチキ先輩」が存在するほどだ。
沖縄ならではのスイーツとしては、「杏仁豆腐(沖縄県産シークワサー果汁付)」(198円)を発売する。
店舗運営にも工夫
沖縄進出に際し、セブンは店舗の設備にも工夫を凝らしている。
例えば、セブンで初めて全店舗のレジに自動釣銭機を導入する。さらに、省人化につながる10設備を全店舗に導入することで、1日あたり合計223分の作業時間削減につなげるとしている。具体的には、新型常温ゴンドラの棚をスライド化したり、レジ袋を取り出す際に屈まずに済むような仕様にしたりしている。250店舗を実現するには、店舗運営を担う人手の確保が欠かせない。沖縄でも人手不足は深刻化しているので、それを見据えた対策だとみられる。
環境対策としては、バイオマスポリエチレンレジ袋を全店に導入する。また、配送センターから店舗への配送車は全て環境配慮型トラック(ハイブリッド車と電気自動車)で運用する予定だという。
高い商品力を生かした沖縄県限定商品、省人化された店舗という武器を手に、市場攻略を目指す姿勢を鮮明にしたセブン。沖縄は現在、ファミマとローソンの2強体制になっているが、競争を制するのはどこになるだろうか。
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