悪いトラブル対応
徹底的に原因追求
日本の大企業、特に製造業の人々は
- トラブルはあってはならぬ
- 一度トラブルが起きたら徹底的に原因追求して、徹底的に原因をつぶし込むべき
という仕事感をたたき込まれることが多い。
多分、こうして欠品をなくし、歩留まりを良くし……という地道な努力が日本の製造業の隆盛を支えていたのだろう。
だが、本質的に不確実性にまみれた仕事であるプロジェクトに、このスタンスを持ち込むと害が大きい。
課題解決より糾弾
悪い報告を受けた時に怒る上司、あなたの周りにいないだろうか。そこまでいかなくても、露骨に機嫌が悪くなるとか……。これは、やってはいけないことなのだが、上司も人間だからやってしまいがちだ。
そして始まる「なぜを5回問うて真の原因を探せ」的な追求。揚げ句の果てに、課題の解決を助けてくれない「それを考えるのがお前の仕事だろう」という言葉を繰り出す。真面目なだけに始末が悪い。
「一番困っている時に助けることこそが、上司であるあなたの仕事」であるにもかかわらず、だ。
悪い報告の遅れ、そして隠蔽
こうしてまずいことが起きたときに、それを解決する能力や権限を持つ上司の下に報告は届かないようになる。そうなると、「悪いトラブル対応」どころか、一切の対応ができなくなっていく。責任者が問題発生に気付けないからだ。
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