くら寿司が新作“高級”バーガー発表 強気に値上げしたワケ:270円から421円へ(1/2 ページ)
くら寿司が新作のハンバーガーを発表した。チーズや具材を改良して、高品質路線に走った。発売当初は270円だったのに、421円へと強気の値上げをしたワケとは?
くら寿司は7月16日、新作のハンバーガーである「極み KURA BURGER チーズフィッシュ」と「極み KURA BURGER ビーフ」(ともに税込421円、以下同)の概要を発表した。7月19日から一部を除く全国の店舗で発売する。
3月に発売した「KURA BURGER フィッシュ」と「KURA BURGER ミート」は、いずれも270円(当時の価格)だった。お客からの評判も上々で、発売初月には100万食を売り上げる大ヒットとなった。新作バーガーは前回と同様に魚と肉のラインアップとなっており、421円と強気の価格設定をしているのが特徴。どのような狙いがあるのだろうか。
第1弾との違いは?
まず、新作バーガーの概要を紹介しよう。
「極み KURA BURGER チーズフィッシュ」は、パテに国産天然魚を使用している。スライスチーズと、3種類のチーズを配合したチーズソースをトッピングすることで、濃厚で高級感のある味わいにしている。店舗で揚げたガリ(ガリチップ)と玉ねぎの天ぷらを使用することで、サクサクとした食感と爽やかな後味になるようにしている。「1日分の鉄分を摂取できる」という点もアピールポイントだ。第1弾のフィッシュバーガーには、ガリはトッピングとして入っておらず、希望するお客にはガリと一緒に食べることを推奨していた。筆者がガリをつけずに第1弾を食べた際には、「魚のクセが気になる人がいるかもしれない」と感じた。その後、ガリと一緒に食べたところ、独特のクセが気にならなくなった。新作バーガーでは、ガリと一緒に食べるのが標準となっている。
「極み KURA BURGER ビーフ」は、お客の注文を受けてからパテをフライヤーで揚げ、さらにバーナーであぶるようにしている。うまみと香ばしさを向上させるためだ。筆者も実際に食べてみたところ、以前のミートバーガーと比べ、ボリューミーで味の濃厚さがアップしたように感じた。第1弾のミートバーガーを食べた際、筆者は広報担当者に「無難な味ですね」と感想を伝えたことがある。大手ハンバーガーチェーンで提供されていそうな、最もスタンダードなタイプの味という印象を受けたからだ。すると、担当者は「シンプルな味にすることで、客層を広げる狙いがある」と回答した。家族やグループで昼食を外で食べようとする際、誰かが「生ものが苦手だから、寿司は嫌だ」と言い出すと、回転寿司店は候補から外されてしまう。くら寿司では、寿司以外のメニューを増やし続けており、ラーメンや天丼なども提供するようになっている。そのラインアップに誰でも食べられるハンバーガーを加えることで、寿司が苦手な客も呼び込もうという作戦だと説明した。
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