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売上5倍! 経営難に陥っていたキャンプ場を、どうやって再生させたのか水曜インタビュー劇場(復活公演)(3/6 ページ)

キャンプ場が盛り上がっている。現在は「第二次ブーム」でたくさんのお客が詰めかけているが、その一方で経営が苦しいところも少なくない。そんな中で、赤字に陥っていたキャンプ場を再生した会社がある。どうやって再生させたのか、会社の専務取締役に話を聞いたところ……。

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事務所からあまり出ないように

土肥: 2011年、クロスプロジェクトグループは長野県にある「いなかの風」と「小黒川渓谷」というキャンプ場を手掛けることに。この2つのキャンプ場も、経営はかなり苦しかったようで。火中の栗を拾うような形で経営に乗り出すわけですが、どこから手をつけたのでしょうか?


中央アルプスを望むいなかの風キャンプ場。自然の棚田を利用しているため、景観がよく適度なプライバシーも守られる

鷲尾: 当社はスキー場を運営しているので、そのノウハウを生かせるのではないかと考え、まずコストの見直しに着手しました。キャンプ場というのは、本来セルフサービスが通用するところなんですよね。しかし、スタッフは「お客さんに対応しなければいけない」という思いが強く、フルサービスを提供していました。

 フルサービスとはなにか。敷地の中でテントを張る場所のことを「サイト」と呼びまして、例えばそのキャンプ場には50サイトある。お客さんが来られたときに、地図を見せて「〇〇番ですね。〇〇さんの場所はここですよ」と言って、紙を渡せばいいだけ。しかし、2つの施設を見ていると、お客さんを現場までお連れしていたんですよね。

土肥: お客さんのことを考えれば、フルサービスのほうがいいのでは?


いなかの風キャンプ場

鷲尾: ホテルのケースを考えてください。一般的なビジネスホテルの場合、お客さんはカウンターでカギを受け取って、自分で部屋に行く。一方、高級ホテルの場合、スタッフが運んでくれる。つまり、高級ホテルのような感覚で、スタッフは動いていたんですよね。

 そうすると、どうなるか。現場に案内しているときに、新しいお客さんがやって来る。受付に誰もいないので、そのお客さんの不満がたまる。また、人件費がかさんでしまうのに、売り上げが少ないといった事態に陥るんですよね。というわけで、当社が運営するようになってからは、スタッフはできるだけ事務所から出ないようにオペレーションを変えました。

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