就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、就活生が内定を辞退する可能性を予測して企業に提供していた問題で話題を集めている。第三者への個人情報の提供に同意していないにもかかわらず、企業にデータを提供された学生は7983人。それも「リクナビに登録したが、リクナビでほとんど就職活動をしていなかった学生」という。なぜこのような問題が起きてしまったのか。
リクルートキャリアによると、個人情報の提供に関する同意が取れていなかった原因は「プライバシーポリシーの記載不備」という。学生にはリクナビ登録時と企業の選考参加時にそれぞれプライバシーポリシーへの同意を求めているが、登録時に提示しているものからは「行動データを企業に提供する場合がある」といった記載が抜け落ちてしまっていた。
リクナビから企業の選考に1社でも参加した学生であれば、そちらで同意を得られたが、「リクナビに登録したものの、どの企業の選考にも参加していなかった学生」については、同意が得られないままになっていたという。
しかし、リクナビDMPフォローは「企業が自社の選考に参加している学生の内定辞退率を判定する」ためのサービス。なぜ、どの企業の選考にも参加していない学生のデータが提供されていたのか。
その理由は、データを受け取っていた38社とリクルートキャリアの関係にある。
リクルートキャリアは企業から「業務委託」を受けていた
実はリクルートキャリアは、リクナビDMPフォローを利用する38社と業務委託契約を結んでいた。リクルートキャリアは、業務委託先として各企業が持っている就活生の情報を開示してもらっており、それをリクナビDMPフォローとひも付けて企業に渡していた(第三者への個人情報の提供)という。
開示された情報の中には「リクナビに登録したが、リクナビ上では選考に参加せず、別のルートから38社の選考に参加していた」学生のデータも含まれており、リクナビ上のデータと結び付けて利用することが可能だった。
【編集履歴:2019年8月5日午後11時29分 リクルートキャリアと企業の関係性について補足説明を追加しました。】
同社は現在、対象学生に連絡を行うとともに、リクナビDMPフォローを利用していた38社に対して、内定辞退率などの個人情報を削除するよう依頼している。利用先企業についてリクルートキャリアから公表する予定はないが、「学生から個人情報の開示請求があった場合には対応する」とした。
「リクナビを利用している全ての学生にご心配・ご迷惑をおかけしてしまった。深く反省している」(リクルートキャリア)。
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