仕事中の「30分の昼寝」で、パフォーマンスはどれほど変わるのか:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
「昼寝」の重要性が見直されている。仕事のパフォーマンス向上や、勉強、長時間の運転にも効果的だとされる。睡眠時間がとにかく短い日本でも、企業などで昼寝を取り入れるケースが出てきた。導入を考えてみてはどうだろうか。
20〜30分の昼寝が最も効果的
ロンドンで「昼寝バー」を営業する睡眠専門家は欧米メディアに、昼寝が「用心深さや生産性の向上、パフォーマンスの強化に役立つだけでなく、ミスを減らし、事故も減らす」と述べている。昼寝が命を救うことだってあるだろう。
さらに健康維持にも重要な要素だという。昼寝はストレスだけでなく、心臓が負担を受けるリスクも軽減する。ハーバード大学医学部による調査では、週に3回、30分以上の昼寝をする人は、心臓疾患で死亡する確率が37%も低くなる。
欧米のメディアを見ていると、効果的な昼寝の方法は30分以内にすること。米国の国立睡眠財団によれば、20〜30分の昼寝が最も効果的だという。
同財団によれば、10〜20分の昼寝では、逆に倦怠(けんたい)感が出る可能性もあるので要注意である。
お盆休み中の移動だけでなく、連休明けに日常の仕事に戻っていく際にも、昼寝の導入は効果的かもしれない。ぜひ意識してみてはいかがだろうか。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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