なぜ「BMW」は叩かれるのか “自己チュードライバー”のアイコンになる日:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
あおり運転をしている「BMW」の映像が、何度も流れている。“暴走カップル”がようやく逮捕されたわけだが、気になることがある。それは「BMW=ネガティブ」なイメージにならないかである。「そんなことはないでしょ」と思われたかもしれないが、実は……。
「駆け抜ける喜び」というキャッチコピー
というような話を紹介すると、宮崎容疑者ばりに筆者の顔面にストレートパンチを繰り出したい衝動にかられるBMWオーナーもたくさんいらっしゃるだろう。
「こんなデタラメな調査を信じられるか! 大方、BMWをおとしめたいライバルメーカーのネガキャンだろ」なんて感じで、耳を塞いでしまう人も少なくないかもしれない。
ただ、一方で、BMWのハンドルを握ることが、果たしてドライバーの心と体にどんな影響があるのかを考えていくと、そこまでのヨタ話ではない。というか、しっくりくるような話なのだ。
「駆け抜ける喜び」というキャッチコピーからも分かるように、BMWの強みといえば、抜群の高速安定性と軽快なハンドリングである。要は、BMW乗りとは基本的に「走り」に魅了されている人たちなのだ。
では、このような人たちがBMW X5のような高級SUVのハンドルを握るとどうなるかというと、より男らしく、より攻撃性が高くなる可能性がある。
なぜそんなことが言えるのかというと、高級スポーツカーに乗ったドライバーの男性ホルモンが急激に上昇することが証明されているからだ。
有名な研究なので、ご存じの方も多いと思うが、旧タイプのファミリーカー(トヨタ カムリ・ワゴン2000)で市内を1時間ほどドライブした場合と、最新のスポーツカー(ポルシェ911カレラ4Sカブリオレ2006)で同じようにドライブした場合では、後者のほうが男性ホルモンの一種、テストステロンの数値がグーンと上がる、ということがカナダの研究で分かっている。
「ポルシェを乗り回すという派手な消費行動がきっかけになって社会的なステータスが変動、テストステロンが上昇する」(ヨミドクター 2013年7月16日)というのだ。
関連記事
- なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「賃金上げたら日本は滅びるおじさん」の言っていることは、本当か
「最低賃金の引き上げ」問題をめぐって、議論がヒートアップしている。「日本の低賃金にメスを入れるべき」という声がある一方で、「世紀の愚策」などと猛烈に難癖をつけている人たちも。この問題、どちらに説得力があるのかというと……。 - ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 人手不足は本当に「悪」なのか 騙され続ける日本人
人手不足が原因で倒産する企業が増えているようだ。東京商工リサーチのデータをみると、前年度から28.6%も増えて、過去最高を更新している。数字をみると、「人手不足=悪」のように感じるが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は違う見方をしていて……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.