日本で大人気のディーン&デルーカは、なぜ海外で衰退したのか:かなり深刻(2/5 ページ)
本家のディーン&デルーカが苦戦している。高級食材のセレクトショップとして、ニューヨークの食文化に多大な影響を及ぼしてきたが、現在は全米で4店舗を構えるだけ。なぜディーン&デルーカの売り上げは伸び悩んでいるのか。
米国のディーン&デルーカ、かなり深刻
全米で、最盛期には40店舗以上を展開していたディーン&デルーカだが、現在では4店舗にまで縮小してしまっているのだ。さらに悪いことに、料金の未払いでさまざまな取引先から、訴えられてもいるという。
米国でディーン&デルーカのビジネスが、あまり順調でないことは知られていたようだが、かなり深刻な状況であると明らかになったのはつい最近のことだ。そのきっかけは、19年4月にマンハッタンのミートパッキング地区にオープンしたばかりの新コンセプトの店舗、「STAGE」をわずか3カ月で閉店させるのを決定したことだった。
著名なドイツ人建築家のOle Scheeren(オーレ・シェーレン)を起用したその新店舗は、中央にオープンキッチンが設置された、シンプルでモダンな人目を引くデザインだ。その新コンセプトの店舗では、オーダー式のサンドイッチやサラダなどをシェフが調理するライブ感がウリで、食を通じてさまざまな交流が生まれるようにデザインされているという。
ある意味で、ディーン&デルーカが社運をかけたプロジェクトと言っても過言ではない、新コンセプトの店舗だったのだが、それを半年も経たずに撤退させるというニュースは、業界関係者に衝撃的を与えた。
実は、この数カ月間でディーン&デルーカは、いくつもの店舗を撤退させていた。25年も営業してきたワシントンD.C.にあるジョージタウンの店舗や、カルフォルニア州ナパヴァレー、ニューヨークのUpper East Sideの店舗も密かに閉店している。
その結果、19年8月末の時点で、米国内にあるディーン&デルーカの店舗は、ニューヨークとハワイにある4店舗のみとなってしまった。その内のひとつであるソーホーの旗艦店ですら、棚には商品が補充されておらず、ビジネスの継続が危ぶまれている。
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