日本で大人気のディーン&デルーカは、なぜ海外で衰退したのか:かなり深刻(3/5 ページ)
本家のディーン&デルーカが苦戦している。高級食材のセレクトショップとして、ニューヨークの食文化に多大な影響を及ぼしてきたが、現在は全米で4店舗を構えるだけ。なぜディーン&デルーカの売り上げは伸び悩んでいるのか。
何が起こっているのか
いったい、ディーン&デルーカに何が起こっているのか。
まず、ビジネスに異変が現れ始めたのが、2014年にタイの不動産開発会社「Pace Development(ペース・ディベロップメント)」に買収されたことだった。
ペース・ディベロップメントは、米国の投資家から1億4000万ドルでディーン&デルーカを買収したが、ビジネスを活性化させるのに苦戦。同社によると、買収額とは別に1億ドル以上を投資し、ブランドを再生しようと試みてきたという。
しかし、残念ながら、その方向性が間違っていたと指摘されている。例えば、ニューヨーク郊外で開催されるテニスの国際大会「全米オープンテニス」やテキサス州フォートワースで開催されているゴルフの大会「PGAツアー」のオフィシャルスポンサー契約はその例だ。
「Dean & DeLuca Invitational」という冠イベントのために、高額なスポンサー契約料を支払っただけではなく、大会に併せたオリジナル商品の立ち上げにも資金をつぎ込んでいる。それが、著名なシェフを起用して商品開発した、栄養補助食品のニュートリションバーだが、その後の売り上げにつながっていないと言われている。
また3カ月で閉店した新しいコンセプトの店舗「STAGE」も負担になった。担当チームがインスピレーションを得るために訪れた欧州への視察旅行に始まり、マイアミとミッドタウン・イーストの店舗でテストマーケティングなども実施。さらに、著名な建築家へのギャラの支払いだけでなく、高額な賃料も重荷になった。
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