話題のサブスク自販機 1日1本で2480円は割高? 強気なプランのワケを担当者に聞く:JR東日本エリアの駅にて(2/2 ページ)
JR東日本ウォータービジネスが、10月1日から駅ナカ自販機でサブスクリプションサービスを開始する。アプリを通じて、対象のイノベーション自販機から1日1本対象のドリンクをもらえる。プランは月額980円と2480円の2種類。
プランは自動的に変更
サブスクリプションを開始する狙いについては、「消費増税によってお客さまの価格に対する感度が高くなる」(担当者)という社会的背景を反映するとともに、「まだ駅ナカで飲料を購入したことのない人に、駅ナカ自販機の利便性や魅力を感じてほしい」とのこと。また、「自販機を通じて、駅ナカの総合的な価値を高めたい」という。
2つのプランのうち、安価なアキュアメイドプランについては、利用が1カ月限定で、1カ月を経過すると自動的にプレミアムプランへと変更される。通勤時に利用する人の場合、1カ月に20日の出勤があると仮定した場合、アキュアメイドプランだと1日当たり49円。これがプレミアムプランだと、1日当たり124円となり、やや割高に感じる。
そこで、「1カ月だけ利用してそのままやめてしまう人も多いのではないか」という質問を担当者にぶつけたところ、「一度試してもらえれば、良さを実感してもらえる商品だと自負している」という返答を得た。同社では、東日本エリアの地場企業と共同で「地産商品」を開発したり、駅ナカ専用商品を開発したりと、独自性のある商品開発に注力している。商品力に自信があるからこそ、あえて「価格というハードルを大きく下げる」(担当者)プランを作った。また、ポイント還元などのキャンペーンを受けられる会員サービス「アキュアメンバーズ」に登録しているお客は、一般ユーザーと比べて自販機のリピート率が高いという。今回のサービス導入を機に、より多くの新規ファンを開拓し、プレミアムプランへとつなげる狙いだ。
なお、利用者の拡大やサービス展開については、反響を見つつ検討するとのこと。自販機では珍しいサブスクリプションだが、どのような広がりを見せるだろうか。
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