お客がスマホでメニューを注文 「SelfU」提供開始 店舗の省人化やインバウンド対応にも:40%も業務削減
お客がスマホでメニューを注文できるサービス「SelfU」の提供が開始。会員登録は不要で、店内のバーコードをスマホで読み取る。居酒屋や焼き肉店などと親和性が高いという。テスト導入した店舗では40%ほどの省人化に成功している。
モバイル決済システムのShowcase Gig(ショーケース・ギグ、東京都港区)は9月4日、スマートフォンを使ったテーブルオーダーサービス「SelfU(セルフ)」の本格提供を開始した。
SelfUは、従来ホールのスタッフが受けていた注文を、お客自身のスマートフォン操作だけで完了できるサービス。お客がスマートフォンで注文用のバーコードを読み取ると、注文ページにアクセスでき、そこから注文を行う。会員登録は必要ない。注文は、ホールスタッフがスタッフ専用アプリを使い確認。キッチンのスタッフにはプリンターから伝票が印刷され、それを基に調理する。
同社は、2013年にモバイルオーダーサービス「O:der」を開発。主にテイクアウト業態の飲食店へサービスを提供してきた。広報担当者によると、18年頃から、飲食店や小売店でオペレーション改善などのニーズが急激に高まり、デジタル施策が目立つようになったという。こうした背景から、イートイン業態へのサービス展開を決めた。SelfUの導入により、スムーズな店舗運営や人件費の削減を見込む。
導入に向いている業態としては、「店員を呼びづらい店」を挙げる。具体的には、店内がにぎやかで大きな声を出さないと呼べなかったり、店員が少なく忙しそうで呼び出しづらかったりする店だ。また、追加注文が多い店舗とも親和性があるという。
インバウンド向けに、外国語にも対応。スマートフォン上で設定されている言語に合わせて、自動的に言語が切り替わる。外国語を話せるスタッフを常駐させる必要や、外国語のメニューを用意する必要もなく、店舗のインバウンド対応を手軽に行うことができる。現在は英語と中国語のみだが、今後は韓国語などにも対応していく考えだ。お客が自ら注文することで、ホールスタッフによる「打ち間違い」などがなくなり、クレーム処理の必要もなくなる。
今回の本格提供にせんだって、相性が良いとされる焼き肉店や居酒屋でテストを行った。サービスを使用するに当たって店舗から追加で出た要望をシステムに反映させたり、オペレーションが変わるため、店員の最適な配置設定や役割の調整を行ったりした。その結果、導入前と比較して40%ほどの業務を削減できたという。
今後は決済機能や会員登録などのサービス拡充も見込む。お客のアレルギー情報などを登録してもらい、個々人のニーズに合わせたメニューのレコメンドなども検討している。
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