手抜き?手作り? 「罪悪感なく簡単に」 イオンが増税にらみミールキット拡充:最速10分で(2/2 ページ)
イオンが水も油も食材もいらないミールキット商品を拡充。長期保存が可能で買い置きができる「フローズン」メニューを6品新発売する。3分30秒のレンジ加熱と、さっと炒めるだけで簡単に調理ができる。背景には消費増税や、共働き世帯の増加などがある。
注力する「簡便」
他社のミールキットでは、「たまねぎだけあればOK」「白菜だけ用意すればOK」といったように、特定の食材を用意する必要があるものがほとんど。クッキットがこうした前提条件を廃止したのは、こだわりの1つだ。和田マーケティング本部長は「前提条件を課してしまうと際限がなくなる。イオンでは『簡便』商品に注力しているのもあり、思い切って何も下準備がいらないミールキットを作った」と話す。フローズンクッキットでは、どの商品も一律で3分30秒のレンジ加熱が必要となる。しかし、野菜によっては火が通りやすかったり通りにくかったりする。こうした点を克服するために、野菜の切り方や冷凍方法などを工夫した。
イオンは、クッキット以外にも「簡便」な商品が充実している。「15年ほど前から販売している」という主菜や副菜が1つになった冷凍食品「ワントレー」はシニアを中心に人気の商品だ。最近では、糖質制限をしている人に向けた「おいしさと糖質のバランス 鶏肉のトマトソースがけ」(398円)など、多様化するライフスタイルに合わせた商品も展開している。
10月中旬には、レンジに入れてスチーム調理を行うだけで、本格的な魚料理を楽しめる「スチーム料理のおさかなレンジ料理セット」も発売予定。レンジで「再加熱」するのではなく「調理」することで、食材本来のおいしさなどを味わえるメニューだ。
リクルートライフスタイルの調査では、飲食時に8%と10%の税率の差を意識する消費者は全体の64.7%。また、博報堂の調査によると、増税を踏まえ実践する行動では、トップが「なるべく『外食などを控えて自炊・内食』する」(34.4%)だった。10月以降「内食化」が進むとみられる需要を、簡便商品の拡充でうまくすくい取ることができるか。
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