なぜ他人の別荘に泊まる人が増えているのか 一休のバケレンがバケた:水曜インタビュー劇場(滞在公演)(2/6 ページ)
他人の別荘などに宿泊する人が増えていることをご存じだろうか。宿泊サイトを運営する一休がサービスを始めたところ、施設数と取扱高が伸びているのだ。海外ではこのようなスタイルを楽しむ人は多いが、なぜ日本でもじわじわ増えているのか。担当者に話を聞いたところ……。
バケレンとは何か
土肥: バケレン事業が好調のようですね。2016年11月にリリースしたところ、施設数も取扱数も右肩上がりに伸びているそうで。別荘やコンドミニアムを貸し切って、パーティーなどを行うことができる――。日本ではあまり馴染みのないスタイルなのに、なぜこの事業を始めようと思ったのでしょうか?
森: 別荘の稼働率を調べたところ、年間50日ほどしか使っていないことが分かってきました。315日ほど使っていないことになりますが、これってもったいないですよね。使っていない別荘をなにかに活用することはできないか。うまく活用することができれば、事業として成立するのではないかと考えました。
また、空き家問題にも着目しました。空き家がどんどん増えている中で、古民家再生も進んでいる。古民家を再生すれば、そこに宿泊することができるのではないかと考えました。さらに、ちょうどそのころ、民泊の動きが広まりつつありました。民泊といえば、個人宅、マンション、別荘などに泊まるといったイメージがありますが、ハイクラスのカテゴリーとして、新たに定義すれば、これまでになかった市場を生み出すことができるのではないかと考えたんですよね。
土肥: 複数の理由があったので、バケレン事業を始めたようですが、まだしっくりきません。民泊との違い、ホテルとの違いはどこにあるのでしょうか?
広報: 明確な定義はないのですが、ざっくりわけると、次のような違いがあるのかなあと。バケレンはセカンドハウスを貸しているケースが多く、民泊は住まいを貸していることが多い。ということもあって、バケレンには生活感のない施設が多いのですが、民泊は生活感が残っているところが多いですね。
土肥: 話を聞いていると、バケレンはホテルに近いわけですよね。となると、ホテルとの違いはどこにあるのでしょうか?
広報: ホテルの場合、フロント24時間対応といったサービスがありますが、バケレンにはありません。また、ホテルの場合、レストランなどで気軽に食事を楽しむことができますが、バケレンの場合、自分で用意しなければいけないところが多いですね。
このような話をすると、「ホテルのほうがいいじゃないか」と思われたかもしれませんが、バケレンにもいいところがあるんです。例えば、広さ。ホテルの場合、10〜30平方メートルの部屋が多いかと思うのですが、バケレンでは100〜200平方メートルのところが多い。また、ホテルの場合、たくさんの人が宿泊していますが、バケレンの場合、基本的に1日1組。プライベート感が強いので、その人の宿泊スタイルに合わせて過ごすことができるのではないでしょうか。
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