なぜ他人の別荘に泊まる人が増えているのか 一休のバケレンがバケた:水曜インタビュー劇場(滞在公演)(3/6 ページ)
他人の別荘などに宿泊する人が増えていることをご存じだろうか。宿泊サイトを運営する一休がサービスを始めたところ、施設数と取扱高が伸びているのだ。海外ではこのようなスタイルを楽しむ人は多いが、なぜ日本でもじわじわ増えているのか。担当者に話を聞いたところ……。
情報の伝え方に工夫
土肥: 「バケレン」という言葉がまだ浸透していない中で、施設数がどんどん増えていますよね。特に、スタート時には施設数を確保するのに苦労したのでは?
森: 全く経験がなかったので、まずはリストを作成しました。ネットなどから全国の施設をチェックして、そこから厳選することに。社内に審査機関があって、さまざまなポイントをチェックしています。どの項目をチェックしているのか、そこは非公開にしているので、ここで申し上げることはできません。先ほど、民泊との違いで触れましたが、生活感があるのか、ないのかも確認しています。
施設オーナーの多くは、ホテルなどを運営したことがありません。ということもあって、ホテルでは当たり前のように用意しているアメニティなどに気をつかっていないケースがあります。また、利用する人はホテルや旅館に泊まるような気分でやって来るので、部屋に生活感があってはいけません。というわけで、清掃をきちんとしているのか、清潔感があるのか、といったところも見なければいけません。
土肥: オーナーにアドバイスをすることもあるのですか? 「こうすればもっとよいですよ〜」といった感じで。
森: 繰り返しになりますが、多くのオーナーは宿泊施設を運営したことがないので、「このように改善すれば利用者の満足度は上がるかもしれません」といった話をすることも。大切なポイントはいくつかあって、その中でも特に睡眠の質にはこだわらなければいけません。枕カバー、ベッドカバー、シーツといったリネンは重要ですよといった話をすることが多いですね。
あと、Webサイトの見せ方として、「こうした情報はもっと増やしたほうがいいですよ」といったアドバイスをすることも。多くの人はバケレンを利用したことがない。初めての経験なので、施設の中でどんなモノがそろっているのか、どんな滞在ができるのかよく分かっていません。こうした課題を解決できそうな情報は、積極的に伝えなければいけません。
例えば、キッチン。ホテルや旅館などでキッチンが付いている部屋は少ない。ということもあって、どんなモノがそろっているのか想像できませんよね。食器がある、ワイングラスもある、といった情報を事前に知らなければ、途中で購入するかもしれません。事前に情報を知っていれば、「ワイングラスがあるのね。じゃあ、途中でワインを買おう」となるかもしれません。
もちろん、キッチンだけではありません。ドライヤーが付いているのか、洗濯機があるのか、バーベーキューができるのかといった細かな情報も提供しなければいけません。ドライヤーがあれば持参する必要はありませんし、洗濯機があれば3泊できるかもしれませんし、バーベキューができれば食材を用意できる。このように情報をきちんと伝えていけば、バケレンとはどんなものなのかをイメージすることができる。そうすることによって、「今度、ちょっと泊まってみようか」となるかもしれませんので。
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