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「外国人が働きたい国」で日本が33カ国中32位――この国の“真に深刻な問題”とは“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

「外国人が働きたい国」で日本が33カ国中32位に。賃金やワークライフバランスで高評価な国が上位となった。一方、全項目で評価の低い日本の本質的な問題とは?

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結局、賃金が低ければ不人気

 世の中には、ハードワーカーと呼ばれる人が一定数存在しており、それはそれで1つの価値観である。限界まで働いて高い年収を得ようという人にとって、ワークライフバランスは重要なテーマではない。問題は、各ビジネスパーソンが、自分がどんな人生を送りたいのか主体的に選択できることである。

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HSBCホールディングスが発表した2019年の「各国の駐在員に聞いた賃金の高い国ランキング」

 一方、カナダ、スペイン、ニュージーランドといった国は、ガツガツ仕事をしない国というのが一般的イメージだが、実際、このランキングでもワークライフバランスといった項目の点数が高く、これが総合順位を押し上げた。

 筆者が先日、香港に行った時のこと、ホテルのフロントで諸手続きに少し時間がかかり、30代と思われるフロント係と少し雑談する羽目になった。カナダで育った彼は、親族の要請で香港に移り住んだそうだが、「(香港はカナダと比べて)仕事がキツくて大変だ」とこぼしていた。カナダにいた時には、残業することなど考えられなかったそうである。ちなみに香港は全体で15位と中位ランクだが、やはり賃金の高さでポイントを稼いでおり、ワークライフバランスの点数は悪い。

 もっとも、カナダ、スペイン、ニュージーランドなど、ワークライフバランスが高い国は、それだけで点数を稼いでいるわけではないという点にも注意が必要である。これらの国の賃金は、最上位でこそないが、相対的な順位はそこまで低いわけではない。いくら残業時間が少なくても、生活が苦しい状況では、満足度は上がらないと思った方がよいだろう。

 これに加えてランキングが高い国は、教育環境が充実しているという共通項がある。誰にとっても子どもは大事であり、どれほど高賃金で、ワークライフバランスが良くても、教育環境が悪ければ、やはり総合評価は上がらない。

 こうした事実を踏まえて、日本の個別評価を見てみると、厳しい現実が浮かび上がってくる。

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