消費増税で「1杯のかけそば」の価格はどうなる? ゆで太郎、小諸そば、富士そばの対応:値上げしないところも
3大立ち食いそばチェーンの「ゆで太郎」と「小諸そば」と「富士そば」。消費増税でメインの「かけそば」は値上げされるのか。対応を調べた。
消費増税が近づくにつれて、外食チェーン各社は対応を迫られている。忙しいビジネスパーソンにとって、安くてパパっと食べられる立ち食いそばチェーンは身近な存在だ。これから徐々に気温が下がっていくと、かけそばを注文するケースが多くなるのでは。
そこで、3大チェーンと呼ばれる「ゆで太郎」と「小諸そば」と「富士そば」が10月1日以降、かけそばの価格を変更するのかどうか調べてみた。
値上げに踏み切るのは、富士そばとゆで太郎だ。富士そばは「かけそば」(税込300円、以下同)を310円に値上げする。また、ゆで太郎は「かけ」(320円)を340円に値上げする。消費増税や原材料費の高騰が理由だという。ゆで太郎は、「ゆで太郎システム」(東京都品川区)が運営する店舗と、信越食品(東京都大田区)が運営する店舗がある。後者のゆで太郎の場合、「ダブルかつ丼」(800円)やトッピングの「海老天」(150円)などは据え置くが、セットメニューや丼物などは10〜20円程度値上げを行う。また、これまで無料だった追加ネギを50円(30グラム)で提供するという。
小諸そばはメインとなる「かけ」や「もり」(いずれも290円)の価格を据え置く。一方で「たぬき」(340円)を350円に値上げするなど、メリハリをつける。また、持ち帰り商品については、店内価格と同一価格にする。
立ち食いそばチェーンにとって死活問題
ゆで太郎システムの池田智昭社長は、数年前にもりそばを290円から320円に値上げした際、売り上げへの影響が1年近く続いたと東洋経済オンラインの対談で語っている。260円から290円に値上げした際には大きな影響がなかったため、「正直、泣きそうになりました」と述べている。立ち食いそばチェーンにとって、「300円」の壁は大きいようだ(参考記事:「30円の値上げが立ち食いそばの死活問題なワケ」)。
増税後、3大チェーンの業績にはどのような影響が出るのだろうか。特に、200円台を“死守”した小諸そばの動向が注目される。
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