なぜ、人々はうんこにひき付けられるのか うんこミュージアムの魅力に迫る:うんこのリーディングカンパニーに(4/5 ページ)
お台場にある「うんこミュージアムTOKYO」に行ってみた。場内はウンスタジェニックエリア、ウンタラクティブエリアなどに分かれる。一定時間ごとに「うんこ・ボルケーノ」が噴火すると、場内はうんこのシュプレヒコールであふれた。なお、場内にトイレはなく、うんこはできない。うんこにとことんこだわったミュージアムの裏側には「うんこのリーディングカンパニーになる」という熱い思いがあった。
「うんこのリーディングカンパニーに」
なぜ、ここまでうんこにこだわるのか。運営元のカヤックでは、これまでうんこミュージアム以外にも「うんこ名言カレンダー」、さらにはオンライン講義サービスである「UN高」などさまざまなうんこビジネスを展開してきた。中でも「うんこ演算」は、大ヒットした「うんこ漢字ドリル」が登場する6年も前に発売。うんこを通して算数を楽しく学ぶアプリだ。同社の柳澤CEOは「うんこは最強の知的財産である」と捉えている。その一方で、これまで展開した商品・サービスはどれも大ヒットにまでは至らなかった。「うんこ漢字ドリルが大ヒットしたときには、悔しい思いをした」と担当者は話す。
うんこミュージアムの設立については、複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」が横浜市にオープンしたことがきっかけ。アソビルを運営するアカツキライブエンターテインメントから「一緒に面白いことをやりませんか」と声掛けがあった。その当時カヤックでは、漫画や絵文字など2次元で人気だったうんこを3次元化する企画を考えていたという。アソビルを機に、「うんこのリーディングカンパニーになる」(カヤックの担当者)という野望を実現する狙いもあった。設立に際して、両社の中に体験型コンテンツの企画経験があまりなかったことから、エンターテインメントの本場であるロサンゼルスへ視察旅行に行くなど、二人三脚で企画を練り上げたという。
うんこミュージアムYOKOHAMAでは「固定概念を水に流す」をコンセプトに掲げた。「うんこはカワイイ」というテーマを伝えるために、場内に茶色のうんこはない。また、筆者の訪問したTOKYOの場内には、甘い香りが漂っていた。担当者は「油断するとすぐ既存のうんこ観が出てくる。従来のうんこの持つ『臭い』『汚い』といったマイナスイメージを180度転換させたいと考えた」と話す。うんこに対する既成のイメージを感じさせるものは一切排除した。
結果として、「驚きやわくわくを提供するエンターテインメントになった」と自信を持つ。お台場進出の際には、テーマをさらに強化し、「MAXうんこカワイイ」を掲げる。フォトスポットを増設したり、グッズを拡充したりして、「『うんこカワイイ』を最大限に追求した」
うんこは海を渡る。10月には、中国の上海でのミュージアム開催を予定。国内外での開催を進めながら、ゆくゆくはエンターテインメントの本場であるロサンゼルスへの進出を目標としている。うんこの波は、日本国内のみならず世界をものみ込むだろうか。
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