【前編】食べログはなぜ何年も炎上し続けるのか?:専門家のイロメガネ(4/5 ページ)
たびたび炎上する食べログ。先日も、Twitter投稿を元に有料加盟とレビューの点数操作をめぐる疑惑が話題になっている。炎上が続く根本の原因としては、一番の理由は広告料の存在だ。口コミサイトを名乗りながら広告を売るというは矛盾が内包されている。
食べログはお店の味方? 利用者の味方?
本来、口コミサイトはユーザー側、あるいは中立的な立場での運営が求められる。例えば、お店に不利な情報が全て削除される口コミサイトがあったら、利用者はどう感じるか? おそらくまともなサイトとは誰も思わないだろう。
しかし事実を書いたのに削除されたと、ユーザーから批判をされる理由の一つに、食べログが店舗から広告料を受け取っているからという側面がある。ユーザー側ではなく、中立ですらなく、お店にとって都合の良いサイトとして一部ユーザーからは認識されている。
ではお店から見て、食べログは都合の悪いレビューを全て削除してくれるサイトかというと、決してそうではない。冒頭で紹介した通りオーナーからは「神のごとき口コミに迷惑」しているとまで敵視されている。しかもお金を払わなければ評価を下げると脅された、という疑惑まで出ている始末だ。
詳細は後述する通りさまざまな事情はあるものの、口コミサイトを名乗りながら不利なレビューを削除してお店側に立っているように見えたり、一方でレビューの星を人質のように使って広告料の支払いを迫る悪質なビジネスを行ったりしているようにも見えるなど、立ち位置や軸足がいったいどちらを向いているのか、まったく分からない仕組みで運営されているのが食べログだ。
冒頭の飲食店の張り紙にあるように、ヤクザが飲食店等からお金を巻き上げるお金と広告料は同じだとして、「食べログみかじめ料のお支払いお断り!」とまで批判される理由がここにある。
食べログのビジネスモデルは矛盾している
では実際に、広告料を払ったお店の不利なレビューを消したり、お店に対して広告料を払わないと星の数を下げますといった営業活動をカカクコムがやっているのかというと、おそらくやっていない可能性の方が高いと思われる。もしやっていることがバレてしまえば、サイトの存続どころか企業の存続すら危うい行為だからだ。
録音機能付きの電話を使っている飲食店や企業はいくらでもあると思うが、悪質な営業の音声が告発されるようなことはまだ行われていない。恒常的にそのような悪質な営業活動が行われているのであれば、証拠となる音声やメールが週刊誌等を通じて公開されたり、ネット上に出回ったりしてもおかしくない。
ではなぜこのような批判が何年もくすぶり続け、何度も炎上をしているのか。まずは前述の通り、口コミサイトを名乗りながら広告を売るという、本来であれば考えられないような矛盾したビジネスモデルが原因だ。
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