【後編】なぜ食べログは公正取引委員会の調査を受けたのか?:専門家のイロメガネ(2/4 ページ)
口コミサイトでありながら、広告を取るという、食べログのビジネスモデルは矛盾している。筆者は、食べログのユーザーレビュー操作については推定無罪というスタンスだが、それでも炎上が続く原因として、矛盾だらけの代理店の取り扱いがある。
代理店の管理は適正になされているのか?
星と引き換えに広告を押し売りするようなことは上場企業であればしていないはず、事実関係については推定無罪のスタンスと書いたが、SNSでは飲食店のオーナーが匿名・実名を問わず、そのような無茶苦茶な営業を受けていると多数書き込まれている。
推定無罪のスタンスからでも言えることとして、原因は2つあると思われる。
1つは星の評価について「毎月第1火曜日と第3火曜日の原則月2回更新を行っています」と説明されているように、星を変動される頻度がかなり高いことだ。2週に1回程度のペースで89万店の星が上下すれば、「つい先日広告の営業を受けて断ったらすぐに星の評価をさげられた」とオーナーが感じるタイミングもあるだろう。つまり偶然の一致だ。
もう1つが食べログには広告代理店が存在していることだ。代理店一覧のページを見ると、多数の企業が名を連ねる。
代理店のWebには、「一次代理店」という表記も複数の企業で表示されている。一次があれば二次もあるのだろう。孫より下の部分まで食べログはおかしな営業がなされないように管理ができているのか?
食べログの代理店に関する説明は矛盾だらけ
そして疑念を持たれている星と引き換えの広告販売も、以下の説明の通りならば、本来は行えない仕組みだ。
食べログ店舗会員向け集客サービスを取り扱う正規代理店一覧
【問い合わせについて】
下記については、正規代理店では受付対応をしておりませんので、食べログ本部へお申し出下さい。
- 食べログ店舗会員への新規会員登録について
※食べログ正規代理店一覧より抜粋
この説明が何を意味しているのか、順を追って説明したい。
食べログ公式サイトの代理店を紹介・募集するページで、代理店の業務は上記の引用箇所にある通り「食べログの店舗会員向け」の「集客サービスを取り扱う」とある。そして新規会員登録の受付は代理店では行っていないので、「食べログ本部」に申し込むように、とある。
この説明を素直に読めば、代理店は食べログに新規登録をする業務に関わっていない。つまり、食べログに未登録のお店=広告料の支払いがないお店と、代理店の接点はないことになる。
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