関東圏鉄道各社のアプリに見る、利用者への接し方戦略:スマホにも、鉄道を(2/5 ページ)
関東圏の鉄道各社は、利用者のために運行情報などを提供するスマートフォンのアプリを提供している。JR東日本や東京メトロだけではなく、関東圏の大手私鉄でも出そろい、それぞれを相互に行き来しながら使用できるようになっている。各社のアプリを使ってみると、違いがあって……。
都心に密着する東京メトロのアプリ
都心で働き、普段から鉄道を利用する人は、東京メトロのアプリをぜひスマホにインストールするべきだ。東京メトロのアプリは、運行情報や列車走行位置といったスタンダードなものだけではなく、トイレの空室情報や空きロッカー情報、最寄り駅の出入口検索、駅の構内図、乗換出口案内など、鉄道利用者にとって必要な情報を十分提供してくれるアプリである。また、都営地下鉄の運行情報も提供している。
東京メトロは、全事業に対して鉄道の割合が大きい事業者である。営業エリアは都心部が中心なので広くないが、利用者は多い。そういった鉄道事業者としては、都心で鉄道を利用する人には何が必要かを考え、それに合わせたアプリを作ることが求められる。
それに応えたのが、東京メトロのアプリである。地下鉄を利用する上で、どこにトイレがあって空いているのか、コインロッカーは空いているのかといったことは重要な情報である。その情報を適切に提供しているのが、東京メトロアプリである。
列車走行位置についても「空いている」などの情報を表示することで、列車の混雑を平準化しようとしている。ただし、大きくダイヤが乱れたときには、走行位置が表示されないこともごくまれにある。
鉄道を細かく掘り下げるのが東京メトロのアプリの特徴で、純粋に鉄道を利用する上で必要なものを提供している。どう鉄道を利用してもらうかを突き詰めるのが、アプリに見える東京メトロ唯一最大の戦略である。
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