育児休暇、希望する期間はどれくらい? 「女性活躍推進2.0実態調査2019」:リノパートナーズ調べ
人材育成コンサルティングを手掛けるリノパートナーズ(東京都千代田区)は10月25日、「女性活躍推進2.0実態調査2019」の調査結果を発表した。回答した女性の8割が現在の仕事に満足していることが分かった。また、性別を問わず育児休暇を取得する場合には、「できるだけ長く取得したい」という回答が最も多かった。
人材育成コンサルティングを手掛けるリノパートナーズ(東京都千代田区)は10月25日、「女性活躍推進2.0実態調査2019」の調査結果を発表した。回答した女性の8割が現在の仕事に満足していることが分かった。また、性別を問わず育児休暇を取得する場合には、「できるだけ長く取得したい」という回答が最も多かった。
調査によると、「現在の仕事に満足しているか」という質問に対する回答は、「とても満足」が8%、「満足」が20%、「どちらかと言えば満足」が48%となり、8割近くが満足していることが分かった。
女性管理職に絞っても、同等の結果が得られた。「とても満足」(6%)「満足」(33%)「どちらかと言えば満足」(45%)と、こちらも約8割が満足している。理由に挙がったのは「やりがいを感じる」(43回答)「部下の成長が嬉しい」(27回答)「裁量範囲が大きい」(26回答)など。女性全体での傾向と比較すると、主に仕事面で満足を感じているようだ。
一方で、女性は職場や仕事のどういった点に課題を感じているのだろうか。「現在の働き方の課題は何ですか?」という設問に対しては、「常にプレッシャーを感じている」(169回答)「プライベートの時間が取れない」(121回答)などが並んだ。一方、最も多く回答があったのは「特に課題はない」(186回答)だった。ただし、「現在、仕事を行う上で不安を感じていますか?」という設問には7割の人が「不安がある」と回答している。働き方改革として業務効率化を迫られる中で漠然と不安を感じている人も多そうだ。
「職場で実施している女性活躍推進の施策のうち効果があると思う施策は?」に対しては、研修などのイベントよりも、制度面に人気が集まった。1位は「育児休暇」で578回答。次いで「時間短縮勤務」(462回答)「女性向け研修、セミナー、イベント」(293回答)と並ぶ。
こうした制度の実態はどうなっているのだろうか。「時間短縮勤務を利用したことがありますか?」という設問に対して「あり」と回答したのは全体の13%にとどまった。さらに、実際に利用した人のコメントでは「一切の昇給の道が絶たれた」「できる限りのフォローはしていたつもりだったが同僚が良く思っていなかったことを後から知った」などマイナス面のものも少なからず存在した。
「もし自分が育児休暇を取る必要が出て来た場合、取得期間についてどのように考えますか?」という設問に対しては、「取れるだけ長く取りたい」が最多で305回答。ただ、全体の傾向を見ると「1年半未満」と回答した人が7割近くを占めている。
調査は19年7月5日〜8月5日の期間、組織で働く会社員1258人(男性732人、女性526人)を対象に行われた。
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