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新幹線を水没から救え――1967年7月豪雨「伝説の戦い」が伝える教訓:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/6 ページ)
台風19号で被災した北陸新幹線は、多くの職員の復旧作業により全線直通運転を再開した。今回の被害は誰にも予測できなかった。しかし、過去には新幹線車両を待避させて水害から守った事例がある。「1967年鳥飼車両基地の伝説」だ。経験に学ぶことが必要ではないか。
7月8日午後9時34分、大阪保線所より東京総合指令へ「増水のため警戒水位突破」報告。午後9時36分、齋藤運転車両部長より指示「所定の行動を取れ」。運転指令より「車両待避」「下り列車は変更なし、定時で運行せよ」指示。当時は今よりずっと運行本数は少なく、上り列車の運行はすでに終わっていた。
8日午後10時過ぎ、安威川が決壊。車両基地構内に浸水。東京総合指令、基地内の全車両待避を命令。車両は上り本線を大阪へ向けて時速30キロで進行し、本線上で停止。進行方向を逆転して京都方面へ進む。1日の運行を終えた車両たちだから、運転士も車掌も残っていた。こうして次々に列車を本線に上げていく。
9日午前1時30分、全新幹線車両の車両のみ待避完了。続いて保線車両待避指示。
9日午前3時30分、車両待避指示から約5時間で全車両の待避完了。待避開始後に新大阪駅に到着した列車たちはそのまま駅構内で待機。全車両が水没を逃れた。
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