首里城火災で「寄付したい」 沖縄のアンテナショップ、町田店の売り上げは約2倍に
火災により焼失した首里城の早期再建を支援しようと、さまざまな動きがある。沖縄県産品を販売しているアンテナ店の県外店舗には来店客が相次いでいて、売り上げが伸びているという。
火災により焼失した首里城の早期再建を支援しようと、沖縄県産品販売のアンテナ店「わしたショップ」と「沖縄宝島」の県外店舗に来店客が相次いでいる。店内に置いている募金箱を目的に訪れており、「わした」は火災翌日の1日から10日までの客数が前年同期比の30%増、「宝島」は65%増に急伸している。両店共に「再建を後押しする商品を作ってほしい」との要望を受けており、寄付金の財源醸成へ検討する考えだ。
「わした」を運営する県物産公社の担当者は「首里城の火災に心を痛め、『寄付したい』と思った県外の人がイメージするのがわしたショップになっている」と話す。火災後、各メディアから募金箱設置の取材を受けたことも認知度を高め、客足の増加に拍車を掛けているという。
県外の直営4店舗の中で銀座店が最も客足が増えており、11月の客数は前年比40%増。1日に設置した募金箱は10日現在、488万2536円集まっている。全11店舗分の募金を集計して15日以降ホームページに掲載予定で、担当者は「心配して頂いている方に現状を報告できるようにしたい」と準備を進める。
寄付と合わせて県産品を購入する人も多く、売り上げも同水準で伸びている。
「宝島」を運営する沖縄物産企業連合は県外5店舗の11月の売上高が65%増。東京都の町田店は2倍と最も高く、担当者は「『寄付したい』と強い思いを抱いている人からの問い合わせが多い」と話す。10日までに6店舗合計で150万円超の募金が集まっており、一定期間設置した後、関係機関に寄付する。
来店客から「首里城再建に役立つ商品を置いてほしい」との要望を受けており、商品開発を検討中だ。担当者は「もっと目に見える形で首里城再建に関わりたいという来店者の高いニーズがある。どのような商品が必要か考えていきたい」と話した。
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