「#令和の就活ヘアをもっと自由に」「#KuToo」話題の一方……まだまだ「身だしなみ」に保守的な日本企業:日本労働組合総連合会調べ(2/2 ページ)
「#令和の就活ヘアをもっと自由に」「#KuToo」などが話題になった2019年。一方で、企業内での身だしなみに関するルールは旧態依然としている現状が明らかになった。男女によってルールが異なる企業もまだまだ多い。
男女で異なる身だしなみのルール
服装や身だしなみについて、決まりやルールがあると回答した人は57.1%を占めた。その中でも多かったのが「髪に関する決まり」(41.9%)や、「入れ墨、タトゥに関する決まり」(40.3%)、「ヒゲに関する決まり」(33.1%)。
こうしたルールは、男女で差がある企業も多い実態が明らかになった。身だしなみに関するルールがあると回答した人のうち、「男性はスーツを着用しなければならないという決まり」があると回答した人は19.4%、「男性はネクタイをしなければならないという決まり」があると回答した人は19.6%。「女性は化粧をしなければならないという決まり」を課している企業は15.1%も存在した。
男女で違いがある決まりを自由形式で聞いたところ、「男性は長髪NG」、「男性は黒色、女性はあまり派手ではない茶色」、「男性は革靴、女性はパンプス」などが寄せられた。
女性のパンプス着用については19年、SNSを中心に「#KuToo」というムーブメントが起こった。女性に対してパンプスやハイヒールの着用を強制することへの反発で、6月には1万件超集まった署名が厚生労働省に提出された。今回の調査では、女性のヒールに関して「高さに決まりがある」と回答した人は、職場に身だしなみの決まりがあると回答した人のうち19.4%だった。高さについては、「決まりはあるが、高さはわからない」(10.9%)が最も多く、「1〜3cm未満」(3.5%)「3〜5cm未満」(3.0%)と次ぐ。
こうした決まりに従わない場合にはどうなるのか。決まりがあると回答した人に対する「服装や身だしなみの決まりに従わない場合はどのようになるか」という設問に対しては、「わからない」が最多で50.1%だった。次いで回答が多かったのは「何もない」(30.5%)で、決まりこそあるが実質的には機能していない企業も多そうだ。ちなみに、違反した際の制裁については「出勤停止」が課される企業もあり、4.7%を占めた。
調査はリサーチ会社ネットエイジアの協力の下、19年10月2〜4日の期間で全国20〜59歳の有職者1000人を対象にインターネットリサーチにより行われた。
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