日本企業は「経歴」や「資格」より「ポテンシャル」を重視して採用せよ 外資系人材会社が提言:ミスマッチ度世界ワースト2位(1/2 ページ)
英人材会社が、世界34カ国・地域を対象にした人材市場の調査を発表。世界全体のスコアは前回調査と変わらず、毎年続いていた人材不足に歯止めがかかった形。一方で、日本のスコアは若干上昇し、前回よりも人材不足が悪化した。日本企業の人材ミスマッチ度は世界ワースト2位だった。
人材紹介などを手掛けるヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンは11月21日、世界34カ国・地域でハイスキル人材の労働市場および需給効率を調査した「ヘイズ世界34カ国・地域人材の需給効率調査」の結果を発表した。同調査は、ヘイズ社が英国のオックスフォード・エコノミクスと共同で2012年から行っているもの。
同調査では、労働市場の柔軟性や人材のミスマッチ、賃金の上昇などに関する7つの指標から各国の状況を分析するもの。それぞれの指標を0〜10のスコアで評価し、「5.0」が最もバランスのよい状態となる。これが高まるほど人材の確保が難しい状態を指し、低まるほど人材の確保をしやすい状態を示す。
8回目となる19年調査では、調査開始以来初めて総合評価が前回調査と同じ結果(5.4)だった。ほとんどの指標では18年調査と同じスコアとなり、ヘイズ・アジアとヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターを務めるリチャード・アードリー氏は「調査開始以来、全体のスコアは上昇傾向にあり、人材の確保が難しくなっている傾向にあった。今回その傾向が一服したことは強調するべき結果だ」と話した。一方で、16の国と地域で人材のミスマッチに関するスコアが高まっており、次回以降はまた人材の確保が難しいという結果になる可能性も指摘した。
日本のスコアを見ると、総合評価が18年調査の「5.9」から「6.1」へと上昇した。また、7つある指標のうち5つで18年調査から上昇しており、グローバルな傾向とは逆行し、人材確保の難しさは上昇している。
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