「少しの酒は体にいい」を疑う新常識 安くてすぐ酔える“高アルコール”人気の陰で:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
間もなく忘年会シーズンが始まる。低価格の高アルコール飲料の人気が高まっていることもあり、酔っぱらう人も増えそうだ。一方、「少量の酒は体にいい」という定説の中に、正しくないものがあるとの指摘がある。正しく理解して酒と付き合うためには……
「酒は百薬の長」は正しくない?
言うまでもなく、ビジネスパーソンの仕事にも影響を及ぼす。二日酔いで生産性が落ちるだけでなく、仕事やプライベートで人間関係の破綻やリストラ、家庭崩壊、過失・不慮の死なども招く可能性もある。酒を飲んでけんかをしたり、器物を破損したりといった話は今もよく武勇伝のように耳にするが、下手したらクビになる可能性もある。
日本では「酒は百薬の長」という言葉が定説のように語られている。だがそれも必ずしも正しくはないと、奥田氏は言う。「虚血性心疾患や骨粗しょう症は少量のアルコールで発症が抑えられるとも言われていますが、全く飲まない人に少量を勧めるほどの効果は認められない。それならば、飲まないに越したことはない」
米疾病対策センター(CDC)は、飲酒が「リスクある性的行為」「望まない妊娠」「HIVを含む性病」の原因になると指摘している。あまり他の薬物などでは聞かないが、日本なら酒に酔っぱらって電車で痴漢をしたというケースはたまに聞く。
また女性の体にも負担を与える。妊娠初期の大量飲酒が流産を引き起こす可能性や、胎児の中枢神経系が発育している時期の大量飲酒が胎児の脳に発育障害を引き起こす可能性も指摘されている。
では、一体どれほどが適量だと言えるのか。厚生労働省の「21世紀における国民健康づくり運動」によれば、ワインなら2杯、日本酒なら1合180ミリリットル、ビールは500ミリリットル、ウイスキーならダブルで60ミリリットル、25度の焼酎なら90ミリリットルが適量ということらしい。それ以上となると、多量摂取となる可能性がある。
奥田氏はアルコールを摂取する際に注意すべき点をいくつか挙げてくれた。
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