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ラージの遅れは「7世代の技術を現行世代に入れる。もうそれをするしかない」 藤原副社長インタビュー(3):池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/6 ページ)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。
延期の決定はすごく議論しました。遅らせるとしたら相当影響が出るので
池田 それはスペース的なキャパが足りなかったんですか。
藤原 キャパが足りないだけじゃなくて、冷却も含め、ちゃんとプロテクトしないとだめだということです。それで、なおかつ時代の変化も、技術の進化もある。FR化でたくさんスペースを取れる結果、少し楽になるところも見えてくるし、電池の進化もありますから、そういうのも含めて、もう一回見直そうと。もうここで1回プラットフォームを大幅に見直すので、1年間ほど遅らせる。ここは英断でしたけど、やっておかないと、あとで大変になるので。
池田 まあ問題を先送りして見切りで進んでも全部返ってきますからねぇ。
藤原 だと思うんです。だから、ここはすごく議論しました。トップを含めてみんなで、やるかやらんか。遅らせるとしたら相当影響出るので。
池田 まあ確かに2025年くらいから10年間くらいの主役は、多分徐々にPHVになっていくでしょうからね。ただ、PHVの燃費の計算方法は、果たして今の計算式のままいくんですかね。
藤原 分かりません。
池田 分からないですよね、これね。
藤原 分からないですけど、今はルールはルールなんで、だから、あのルールに沿って考えるしかないですね。
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