ラージの遅れは「7世代の技術を現行世代に入れる。もうそれをするしかない」 藤原副社長インタビュー(3):池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/6 ページ)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。
池田 今の計算式は、要するに使い方における1つのストーリーに基づくものですよね? バッテリーだけで60キロ走れると、簡単にCO2排出量が40グラムとか50グラム以下となる計算式になっている。だから、組み合わせる内燃機関の燃費がどれだけ悪かろうが、EV走行で60キロさえクリアすれば、あとはどうとでもなってしまう。
ただし現実の運用も、ほぼ毎日充電すれば、化石燃料を使わずにEVとして運用できちゃうという可能性も高いので、何が嘘で何が実態なのかは、本当は蓋を開けて実数を統計的に見てみないと分からないわけですよね。
藤原 ですからBMWさんみたいに、街の中だけはもうEVでしか走れないようにするとかいうような議論もあります。コネクティビティがあれば簡単にできる話なので、そういう方向にひょっとしたら動くかもしれないです。郊外に行けば、もう少しエンジンとの組み合わせで走っていいよと。ただ、街の中はEVモードでしか入れないようにするとか、もっと厳しくしてもう完全にBEVしか走れないようにするとかいうのは、地域主導で選択することもあるのかなと思うんですけどね。だから、今はこういうルールですけど、多分普及に応じてルールが徐々に変わっていく可能性はあります。
池田 ただ怖いのは、あのルールを主導しているのはヨーロッパじゃないですか。過去の例を見ると、あの人たちは自分たちに都合が悪くなるとルールの方を変える。スキーのジャンプでもル・マンでもみんなそうでしたから。
藤原 (笑)
池田 まあまあ、このあたりは藤原さんは何も言うわけにはいかないでしょうけれどね。
藤原 (笑)
池田 そういう横車を、1年くらいで開発ができるものでやられるんだったら、まだしょうがないですけど、プラットフォームの世代ごと影響を受けるほどのものを、5年、10年のスパンで温めて、つまり事業計画を立てながらやってきたことを、あとで突然ルール変えられるのは非常に困りますよね。
藤原 まあ1つ言えるとしたら、米国はルールがちゃんとしてますね。
池田 米国は、その辺フェアですよね。
藤原 本当にフェアなんですよ。
池田 全員に分け隔てなく厳しいですからね。
藤原 そうです(笑)。
池田 こんなのできないだろうっていうぐらい厳しいですからね、全員にね。いや話を戻しましょう。
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