「マイルドハイブリッドの効果はちゃんと出てます」 マツダ藤原副社長インタビュー(4):池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/7 ページ)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。
マイルドハイブリッドはキャパシタで何とかできる
池田 さて、xEVの話から始まってディーゼルまでの話を伺ってきたわけですが、今度はマツダが今後のCAFE(企業平均燃費規制)をにらんでいくなかで、マイルドハイブリッドの役割について伺います。2年前の「人とクルマのテクノロジー展」のときには、マイルドハイブリッドにすごく多くの会社が期待してましたよね。だけど今回、マイルドハイブリッドがちょっと下火になっているような気がします。
藤原 いや、そんなことないですよ。来週からMAZDA3のSKYACTIV-Xの試乗会をやるよね?
広報 はい。
藤原 来週、あそこでちゃんと説明します、マイルドハイブリッドについてちゃんと説明しろと言ってあります。
池田 思ったとおりの効果が、ほぼ出ているんですか?
藤原 出てますよ、出てます。
池田 例えば10%弱ぐらいは改善できる?
藤原 どのぐらいか私、いま数値を持っていないですけど、来週聞いてください。エンジンの親分の中井(パワートレイン開発本部長:中井英二氏)が行きますので。
池田 ああ、中井さんなら。
藤原 素直に答えると思いますので(笑)。これからはマイルドハイブリッドをしっかりやるって言いたかったんですけど、ずっと言ってないので。SKYACTIV-Xが出てないから余計言えなかったですけど、徐々に普通の、標準のエンジンになっていく予定です。ジェネレーション1のガソリンエンジンにもマイルドハイブリッドを付けていくつもりでいます。で、ちゃんとネーミングしろっつって言っているので(笑)。
池田 何か、かっこいい名前がつくんですか。
藤原 それは、いつかは発表できると思います。
池田 燃費を平均値で上げていかなきゃいけないわけですから、そうすると、いろんな価格帯ごとの技術が必要なわけじゃないですか。で、本来安価なマイルドハイブリッドが一番底を支えるという意味でいうと、MAZDA2の一番普通のモデルとかに付いたほうがいいわけですよね。そういう価格帯のモデルに入れられそうな見込みはあるんですか?
藤原 クルマによってでしょうね。実は、ヨーロッパのMAZDA2にはマイルドハイブリッドに近いものを入れているんですよ。リチウムイオンバッテリーじゃなくて、キャパシタで何とかできるということも。
池田 ああ、i-ELOOPのときに使っていたもの?
藤原 はい。あれをうまく使ってできる。
池田 あのあたりは可能性ありますよね。
関連記事
- ラージの遅れは「7世代の技術を現行世代に入れる。もうそれをするしかない」 藤原副社長インタビュー(3)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。 - 為替は「北米に工場を造っても、ほとんど変わらない」 マツダ藤原副社長インタビュー(2)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカットかつ連続でおとどけしよう。その第2回だ。 - CASEは「独自部分だけでも、クルマ1台分の開発費がかかってます」 マツダ藤原副社長インタビュー(1)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。 - 藤原副社長、マツダが売れなくなったって本当ですか?
ここ最近のマツダには、聞いてみたいことがたくさんある。あれだけ出来の良いクルマを作りながら販売台数がなんで落ちるのか? MAZDA3とCX-30を批判している人は、まず乗ってみたのか聞きたい。あれに乗って、それでも高すぎると本当に思うのだろうか?全てを知り、なおかつ一番本当のことをズバリしゃべってくれそうな藤原清志副社長がインタビューに応じてくれることになったのである。第7世代は売れてないのか? を解説しつつ、真実を見ていく。 - 藤原副社長、ラージプラットフォーム投入が遅れる理由を教えてください
マツダの藤原清志副社長のインタビュー、第2弾はラージプラットフォーム投入が遅れる理由だ。なぜマツダが直6エンジンを使った新らしいラージプラットフォームを開発するのかを振り返り、その遅れの理由、そして遅れたことで空く穴をどう塞ぐのかを解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.