「マイルドハイブリッドの効果はちゃんと出てます」 マツダ藤原副社長インタビュー(4):池田直渡「週刊モータージャーナル」(7/7 ページ)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。
藤原 だからできるだけ(価格帯が)下の方には、そういう技術を使いながら燃費を上げて、どこからか上はちゃんとリチウムイオンバッテリー使わなくちゃいけない。
池田 キャパシタって、変形できないですよね。円筒じゃないとダメなんじゃないですか?
藤原 キャパシタはそうですね。
池田 搭載がちょっと問題ですよね。
藤原 搭載もありますけど、やっぱり電気の入れたり出したりする容量がどのぐらいかによってくるので、少し工夫がいります。
池田 ただ、キャパシタって、本来電気を大量に一気に引き出したり入れたりするのは向いてんですよね。しかも生産時にも廃棄時にも環境負荷が低い。
藤原 そうです。そのキャパシタの特性をどううまく使うかとか、リチウムイオンキャパシタみたいなのが出始めてますし、名古屋のほうの会社が作ってくれたりしているので、そういう最新技術も含め、24ボルトのマイルドハイブリッドは、下のほう含めて展開できると思います。
池田 キャパシタの価格自体は、バッテリーに比べると圧倒的に安いですよね。
藤原 全然安いです。バッテリーのほうが高いですよ。だからMAZDA3に入っているリチウムイオンバッテリーも高いので、そこをこれからどうやっていくかっていうところも課題の1つですよね。まあ、マイルドハイブリッドやらなくちゃいけないです。
池田 そうすると一応、CAFEに対応していくための技術群として見込んでいたものが、ほぼほぼちゃんと予定どおりに、それぞれの技術が機能していると。そこは、読み間違いはなかったんですね。
藤原 ないと思います。
池田 私はちょっとうがって見てたんですよ。実は、マイルドハイブリッドが思ったようにいかなかったことが、ラージプラットフォームの遅延に最終的に影響しているんじゃないかと。
藤原 ヨーロッパでは、もうさっきのSKYACTIV-Gの2リッターにはマイルドハイブリッド付けてたりするので。ですから市場によって、価格も含めて見ながら出していくつもりではいるんですけど。
明日12月4日の記事に続く。
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