新しくなった東急プラザ渋谷は「アクティブシニア」に支持されるか:人生設計をサポート(2/2 ページ)
東急不動産は12月5日、東京・渋谷駅西口の再開発ビル「渋谷フクラス」の中核商業施設「東急プラザ渋谷」をオープン。“成熟した大人たち”を主なターゲットとして、「人生100年時代」を見据えたライフスタイルを提案する店舗を展開する。
予約制の個室ブースを完備、HISの新店舗
終活を見据えた相談をはじめとして、“豊かな人生”にまつわる幅広いサポートを提供する「LIFE STORIES SALON」も5階にオープン。冠婚葬祭を手掛けるメモリードの新業態店となる。
提供するサービスは幅広い。生前葬や感謝の集い、葬儀相談などのセレモニー関係、相続や生前整理、お墓などの準備についてはもちろん、写真撮影や人生ノートづくり、新しい趣味を見つけるワークショップなどの相談にも対応する。「50代以上の方はもちろん、お子さまやお孫さんなども含めて、形にとらわれずにニーズに対応したい。気軽に立ち寄っていただけたら」と担当者は話す。
これまでの旅行代理店と大きく異なるイメージを打ち出した店舗をオープンさせるのはエイチ・アイ・エス。「High Premiun HIS Hills Shibuya」という、高価格帯の旅行プランを提供する店舗を構える。店頭には、旅行パンフレットの束は置いていない。
店内にあるのは、豪華列車をモチーフにした4つの個室ブース。来店は完全予約制で、ゆっくりと旅行の相談ができる。対応するのは、15カ国以上の渡航経験と1万人以上の送客実績を持つコンシェルジュ。どんな国で何をしたいか、どんな手続きが必要か、などといったニーズを丁寧に聞き取り、最適な旅行プランを提案する。
建て替え前の東急プラザ渋谷にあったHISの店舗は、幅広い層が訪れる大型店だった。新しい施設では、ガラッとコンセプトを変える。「オンラインによる旅行手配が増え、3〜4割を占めるようになった。その中で、オンライン予約をしないお客さまを見据えて、ニーズに合った店づくりをしている」と担当者は話す。旅慣れているわけではなくても、旅行を楽しみたいシニア層にとって居心地の良い空間を目指す。
他にも、17、18階のルーフトップガーデンを中心とした空間には、シンガポールのリゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」の最上階レストランなどを手掛ける「セラヴィ」が日本初出店するなど、全69店舗をそろえて“大人”の来店を促す。成熟した大人に照準を合わせた施設に、人生設計や趣味に積極的な人たちを呼び込めるだろうか。
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