「日本の自動車生産を維持している自負はある」 マツダ藤原副社長インタビュー(6):池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/8 ページ)
マツダの戦略が分岐点にさしかかっている。第2四半期決算の厳しい数字。第7世代の話題の中心でもあるラージプラットフォームの延期。今マツダに何が起きていて、それをマツダがどう捉え、どう対応していくつもりなのか? その全てを知る藤原清志副社長がマツダの今を語る。そのインタビューを可能な限りノーカット、かつ連続でお届けしよう。
マツダの最大の課題は、自動車偏差値が高い人じゃないと理解できないこと
池田 今だからマツダの最大の課題は、自動車偏差値が高い人じゃないとやっていることが理解できないということだと思っています。
藤原 考えます。
池田 例えば、サーキット試乗でインプレッション書くじゃないですか? そりゃ確かに公道では出さないスピードの話ですけど、厳しい状況で舵(かじ)抜けしないこと、最後まで舵が利いてくれることがすごく大事だとか、例えば下り坂で曲がりながら急にブレーキ踏まなきゃならなくなったとき、リヤタイヤが踏ん張ってくれることは大事だとかっていうのは、それは、いわゆる緊急回避の領域での安全性の話をしているんですけど(笑)、そんな速度の話は無意味だといわれたりするわけです(笑)。
藤原 いや、でも路上で本当に緊急回避をやる場面ってありますよね。だから、本当はそこはすごく大事なとこなんですけどね。
池田 そういうことが起きなかったら事故は起きないんですから。
藤原 そうそうそう。私も若くて自動車の知識も少ないときに、1989年ぐらいですけど、W124型のベンツに乗っていてドイツで事故しそうになったんですよ、山岳路で、対向車がはみ出してきたんです。「あ、こりゃ死んだな」と。そのときの、あのW124の緊急回避性。もうこんなに吸いつくように走ってくれるんかみたいな、ブレーキ踏んでもびくともせずにコントロールできたんですね。もうあれ以来ずっとW124みたいなクルマを作りたいと思っているんですけど、ああいうことを考えると、やっぱり高機動域の性能が最後の最後に生きてきます。自動車の持っているポテンシャルを大事にしておかないと、事故を起こしているよねっていう。
池田 大事ですね。
藤原 大事ですよね、本当にね。今回のヤリスは、ぜひ乗ってみたいなと思いました。
池田 いや、あれちょっとびっくりしました。っていうか、アクアと同じメーカーが作っているクルマとは、本当に思えないですよ。アクアは早く引っ込めろとか酷いことを書いてるんですけど、トヨタは怒らないですよ(笑)。
藤原 怒らないんですか? ウチも怒らないな(笑)。
池田 っていうか、私、怒られたことないですよ。どこにも怒られたことないんじゃないかな。
藤原 それは、記事に愛があるからですよ。大丈夫です。
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