忘年会、スルーしたいのは若者だけではない! 「同一飲食同一支払」を求める管理職の悲痛な叫び:それでも開催するべき理由(3/3 ページ)
SNSで話題の「忘年会スルー」。「高いお金を払ってわざわざ上司の自慢話に付き合いたくない」という若年層のコメントが目立つ。一方で、管理職の方でもスルーしたい人が増えているのだとか。スルーしたいのは管理職も同じ?経営コンサルタントの横山信弘氏が斬る。
忘年会とエンゲージメント
私は忘年会賛成派だ。クライアント企業にも、積極的に忘年会を開いてほしいと勧めている。なぜなら忘年会は、「組織エンゲージメント」を推し量るバロメーターにもなるからだ。
エンゲージメントとは、「絆」とか「愛着心」という意味合いで、忘年会を開いて、集まり具合が低ければエンゲージメントが低いと判断できる。
上司も部下も、よほどのことがない限り忘年会を欠席しない部署は、エンゲージメントが高い。エンゲージメントが高ければ、業績が高くなる傾向にある。だから、ふだんの飲み会にはほとんど参加しないという人も参加する可能性が高い忘年会は、あえてやった方がいい。エンゲージメントを上げるには、相互の人間性を理解する機会を増やすことが重要だからだ。
ただ、組織のためにやるのに、管理職の経済的負担が大きくなるのは避けたい。忘年会の費用は、本来なら会社が負担すべきだろうが、それができないなら、やはり割り勘が健全だ。
「支払い方改革」の時代?
いよいよ20年4月から、働き方改革の目玉の1つ、「同一労働同一賃金」が一斉に施行される。同一労働同一賃金とは、「同じ仕事をしているのであれば、正規か非正規かにかかわらず同じ賃金」という意味だ。
この理屈からすれば、先述の課長が主張する通り、「同一飲食同一支払」――つまり、同じものを飲み食いしているのなら、同じ分だけ支払うべき、となる。
ただ、小食の人、お酒が飲めない人の支払いには注意したい。食べた分、飲んだ分だけ、支払いが上下するのはあっても、それ以外は、正規、非正規かにかかわらず、そしてもちろん性別に関係なく、同じ分だけ支払うのが筋だろう。
上司が部下におごるという価値観が当然だという時代は、もうとっくに終わっている。以前から板挟みにあってきた中間管理職たちのために、働き方改革もいいが「支払い方改革」も、必要だ。
著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
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