しょうゆを育てるサブスク「BOTTLE BREW」でキッコーマンがブランドの証「六角形」を使わなかったワケ:乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(1/4 ページ)
9月にキッコーマン食品が発表した“育てるしょうゆ”こと「BOTTLE BREW」。サブスクリプションなだけでなく、家でしょうゆを発酵させる斬新なサービスが注目を集めた。ただ、しょうゆを育てるボトルには、キッコーマンの代名詞といえる六角形ロゴをあしらっていない。一体どのような狙いをもって企画したのか、担当者に直撃した。
乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る
音楽やデータ配信など、ユーザーにとって「お得」と感じられるようなサービスが多かったサブスクリプションサービスが、変容を始めている。単に「〜し放題」といったものから、リアル店舗との連携、ブランディングや、リピーター作りを狙うサービスも続々出ている。乱立するサブスクサービスで、生き残るカギはどこにあるのか。企業の取り組みに迫る。
連載第1回:freee“10倍値上げ”問題から考えるサブスクエコノミーの落とし穴
連載第2回:本記事
9月、「しょうゆを育てる」というサブスクリプションサービスが注目を集めた。その名も「BOTTLE BREW(ボトルブリュー)」。しょうゆを自宅で発酵させ、香りや味の変化を体験できるサービスだ。まずはβ版としてスタートし、2019年度末までに200人の会員登録を目標にしていたが、既にそれ以上の申し込みが来ているという。
ボトルブリューは、会員登録した後、有料の体験会(5000円、税別、以下同)へ参加。その後、意思が変わらなければ月額利用(毎月3000円)に申し込む。すると、隔月でしょうゆの発酵元液が2個(2カ月分)が届く。ユーザーは発酵元液を基にしょうゆを育て、およそ1週間ごとに変化するしょうゆの香りや味をその都度楽しむ。その他、オリジナル商品も利用期間に応じて届くという。
提供するのはキッコーマン食品。キッコーマンのしょうゆといえば、六角形のマークが代名詞となっているだけでなく、卓上瓶が「立体商標」となるなど高いブランド力を誇っている。しかし、ボトルブリューで使う「しょうゆを育てるボトル」には、キッコーマンの代名詞ともいえる「六角形」のマークをあしらっていない。
キッコーマンブランドの“証明”といえる六角形マークを、なぜボトルにあしらわなかったのか。また、どのような狙いを持ちサブスクサービスを開始したのか。サービスの企画開発に携わったキッコーマン食品の花田洋一氏と島田典明氏に聞いた。
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