しょうゆを育てるサブスク「BOTTLE BREW」でキッコーマンがブランドの証「六角形」を使わなかったワケ:乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(2/4 ページ)
9月にキッコーマン食品が発表した“育てるしょうゆ”こと「BOTTLE BREW」。サブスクリプションなだけでなく、家でしょうゆを発酵させる斬新なサービスが注目を集めた。ただ、しょうゆを育てるボトルには、キッコーマンの代名詞といえる六角形ロゴをあしらっていない。一体どのような狙いをもって企画したのか、担当者に直撃した。
「サブスクブーム狙い」ではない
しょうゆに関する情報発信を行うしょうゆ情報センターによると、しょうゆの出荷数量は1990年代ごろまでは110万〜120万キロリットルで推移していた。02年に100万キロリットルを下回ったのを境に、以降は右肩下がりを続けている。直近の18年データでは、75万キロリットルほどと、ピーク時の6〜7割まで数量が落ち込んでいる。1人当たりの消費量では、最も多かった73年の11.9リットルから、18年には6.0リットルまで減少した。
そもそも、どういった狙いでボトルブリューを企画したのか。花田氏はしょうゆの消費量減少への分析を交えながら、次のように話す。「間違いなくいえることは、家庭用のボトル詰めしょうゆニーズが減ってきているということ。消費量減少は、いくつかの要因が考えられる。例えば、調理する機会が減ったとか、食の多様化だとか。こうした状況を踏まえて『しょうゆの価値向上』を第一に、『選ばれる調味料』となるため、企画した」
花田氏はボトルブリューの特徴として「究極の新鮮体験」を挙げる。しょうゆの鮮度を損なわない、やわらかいボトルの商品が爆発的なヒットを収めたように、今や「鮮度」がしょうゆの価値になっている。自宅で発酵させ、本当に新鮮な状態のしょうゆをすぐさま料理に使うことができる体験がボトルブリューの売りだ。
ボトルブリューはサブスクという点でも注目を集めたが、あくまでベースにあるのは「しょうゆの価値向上」で、「サブスクブームに乗っかったわけではない」と花田氏は笑う。実際、急ごしらえのサービスというわけではなく、数年前から数百人規模で社員モニターを募って、綿密な改良を重ねてのβ版発表だった。
社内モニターでは、「使い方」に関する質問が多かったという。しょうゆを自分で発酵させるということから、サービスには分かりやすいガイドが必要となる。そこで、「取扱説明書」を作ったのだが、それでも「分かりづらい」という声が相次いだ。「サブスクとしてサービスを開始するに当たり、他社のサブスクサービス担当者にも話を聞いたところ『使い方に関する質問が多いのが大変だった』という声をよく聞いた」と花田氏は振り返る。そこで、サブスクサービスには珍しい「事前体験会」を組み込むことになった。
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