2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

しょうゆを育てるサブスク「BOTTLE BREW」でキッコーマンがブランドの証「六角形」を使わなかったワケ乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(3/4 ページ)

9月にキッコーマン食品が発表した“育てるしょうゆ”こと「BOTTLE BREW」。サブスクリプションなだけでなく、家でしょうゆを発酵させる斬新なサービスが注目を集めた。ただ、しょうゆを育てるボトルには、キッコーマンの代名詞といえる六角形ロゴをあしらっていない。一体どのような狙いをもって企画したのか、担当者に直撃した。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

従来の使用方法にとらわれない活用を

 体験会は1人1回だけ参加でき、ボトルブリューのキットを入手できる。しょうゆの育て方を指南するだけでなく、育てたしょうゆの発酵度合いに合わせた活用方法も教える。ボトルブリューでは隔月で発酵元液を送付するため「せっかくしょうゆを育てても使ってもらわなければ意味がない」(花田氏)ことが理由だ。それだけでなく、しょうゆを使ったメニューの提供もしているという。参加者には発酵に興味を持っている人も多く、休憩時間には質問も数多く寄せられる。企画当初はライフスタイルに興味がある女性をターゲットにしていたが、男性の参加も多いという。


キッコーマン食品の花田洋一氏(左)と島田典明氏(右)

 従来の発想にはないしょうゆの活用方法も、体験会では提案している。ある体験会では、しょうゆにマンゴーとパイナップルを漬け込んだものを展示した。「しょうゆというと『和』のイメージがあるが、使われ方が固定してしまうと市場の成長も見込めない。実はしょうゆは、スイーツとの親和性も高い」と花田氏は話す。

 現在、体験会に参加した後、サービスへ本登録する人の割合は8〜9割ほどだという。事後アンケートで調査する満足度も5段階評価で平均が4.5と、手応えは感じている。ただ、花田氏は「現在、サービス全般を社内資源のみで運用しているため、会員が大幅に増えた際のオペレーションが課題」と話す。そのため、よりたくさんの会員登録を狙うのか、それともスモールスタートでさらなる改良を重ねていくのか、検討中だという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る