残業時間は半減、社員一人当たりの売上は15%増――「働きがい重視の改革」が結果につながる理由:働き方改革を阻む「抵抗」「不安」「失敗」との戦い方(3/4 ページ)
地方都市こそ、働き方改革を進めなければならない――。静岡にUターンし、起業した社長がこう話す理由とは。
浜松に「働き方改革の輪」を広げるために
小川: 実は今、浜松の企業にLunch Sessionの文化を広げる取り組みを始めようとしているんです。僕らが2年間運用してきて分かったLunch Sessionの効果や企業に浸透させるための手順、運用のノウハウ、マッチング用のWebツールをサービス化して、展開する準備を進めています。
企業規模を問わずに導入できるよう、最初は無料ツールとして公開する予定です。そうしてLunch Sessionの文化が広がれば、首都圏からビジネスで訪れる方々に「浜松に来れば、さまざまな企業とランチがてら仕事や採用の話ができる」と思ってもらえるようになる。そこから新たなコラボレーションが生まれれば、浜松の活性化につながると思うんです。
沢渡: Lunch Sessionが、企業間の「コミュニケーションのハブ」としての役割を担うプラットフォームになるわけですね。とても興味深い。
首都圏に比べて、地方都市の働き方改革は遅れがちですが、人手不足がより深刻な地方都市こそ、働き方改革を推進する必要があるんですよね。
UターンやIターンの案件が増えている割に、なかなか人材が定着しなかったり、応募者が少なかったりする理由の1つは、「働き方が古い」ことにあるんです。一度、首都圏で先進的な働き方を経験し、成長できる環境に身を置いてしまうと、そうではない職場環境には戻れない。活躍できる場がないから首都圏で働かざるを得ない――という人も少なくありません。
だからこそ、地方都市の企業がどんどん働き方を変えて、「正しく成長できる場所があること」を証明すれば、大きな差別化要素になると思うんです。
関連記事
- 働き方改革の旗手、白河桃子と沢渡あまねが対談! ――会社を滅ぼす「仕事ごっこ」をやめる方法
働き方改革が国策になって久しい中、なぜ、日本の働き方はいつまでたっても変わらないのか――。本質的な改革とは程遠い「仕事ごっこ」がはびこる日本企業の現状と、令和の時代にふさわしくアップデートする方法について“働き方改革の旗手”の二人に大いに語ってもらった。 - もう、やめない? 部下に理不尽強い続ける“管理職ごっこ”
「管理職らしくふるまうために、コミュニケーションの壁、情報の壁をつくる」「情報がほしければ、礼儀作法をわきまえて「お前から頭を下げてこい」な空気を作る」――会社にはびこる、こんな“管理職ごっこ”、もうやめませんか? - 優秀な人が大量に辞めていく企業の共通点は? 「人材流出企業の覆面座談会」で明らかに
ただでさえ人手不足で人材を集めるのが難しいこの時代に、惜しげもなく優秀な人材を流出させてしまう企業では、いったい何が起こっているのか――。 - 働き方改革が成功する企業、失敗する企業の共通点 5つの視点で読み解くと
この1年半、働き方改革の取材を通じて分かったのは、成功する会社、失敗する会社それぞれに共通点があるということ。5本の推薦記事を通じて、それを紹介したい。 - 働き方改革を「やってよかった」は少数派。「元のままでいい」「やらされている」と現場が感じる理由
リクルートマネジメントソリューションズがこのほど、「働き方改革が成果につながっている企業は少ない」との調査結果を発表。同社の研究員とコンサルタントが、その要因を解説した。「残業をしてはいけない」などという型を押し付けているだけで、企業の仕事内容や評価制度を変えない企業が多いためという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.