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お菓子を売るのになぜサブスク? 「snaq.me」がECでも店舗でもなく“定期便”を選んだワケ:乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(2/4 ページ)
自分好みのお菓子がポストに届く“おやつの定期便”がじわじわと利用者を増やしている。定期購入はコンビニやスーパーで買うのと比べてハードルが高くなるが、なぜサブスクでお菓子を売ろうと考えたのか。
ECの行き着く先にはAmazonがいる
スナックミーの服部慎太郎氏(代表取締役CEO)は、「モノをサービス化するのにサブスクがフィットしていると思い、当初から定期便という形を想定していた」と話す。その背景にあるのは、既存の販売方法との明確な差別化だ。
「単にモノを提供するECの行き着く先にはAmazonがいて、そこで勝負してもしょうがない。それに、コンビニなどで買う小腹を満たすためのお菓子とは違う、充実した『おやつ体験』を届けるサービスにしたいと考えていた」(服部氏)
お菓子をどうすれば「体験」として受け取ってもらえるかを考え、生まれたのが「毎月何かいいものが届く」定期便という形だった。お菓子を1個単位で気軽に買えるECや小売と比べると購入のハードルが上がる代わりに、「何が届くか分からない」という楽しみや、開封した瞬間の驚き、自分ではあまり購入しないお菓子との出会い――といった体験を届けられる。
「snaq.meを利用している人は『お店で買うのが面倒だから』『ネットで注文できるのが便利だから』買うというよりも、『開ける瞬間が楽しいから』注文してくれている。カフェを利用したり、デパ地下や駅ナカで“ちょっと良いもの”を買ったりする感覚に近いんだと思う」(服部氏)
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