池袋のマツキヨが「アミューズメント」化! 男性向け化粧品を強化した“体験型店舗”に 実際に行ってみた:お店最前線 来店してもらう仕掛けとは?(3/3 ページ)
2019年秋、池袋のマツキヨがリニューアル。「体験型店舗」を掲げ、旧来のドラッグストア像から脱却を狙う施設となっている。男性向け化粧品も充実し、これまでにない客層も狙う。どんな店になっているのか、実際に行ってメーク体験もしてきた。
メークアップを体験
「従来、お客さまの7割ほどが女性。地下に男性向けコーナーを作ることで、女性の買い物に付き合うだけでなく、男性同士でも来られるような店舗を心掛けた」と橘明弘店長は話す。
メンズガレージには、ヘアワックスやスプレー以外にも、なかなか男性が使わないような化粧水なども販売している。昨今、男性でもメーク需要が高まってきているのだという。「ヒゲをそった跡や、目の下にあるくまなどを気にするお客さまも多い」と話すのは、化粧品チーフの鈴木亜依子氏だ。リニューアル以降、メークアップ体験をする男性も多いということで、せっかくなので体験してみた。
基本的には、自分で体験したいと思った商品を持参して体験する形なのだという。フルメ―クの場合、所要時間は40分ほど。記者は、フルメークではなく簡易的なメークを体験した。2階の一角を占めるメークアップコーナーに座り、スタッフと話しながらメークをしてもらう。目の下のくまや唇、ひげをそった跡などを中心に化粧品をつけていった。各商品の特徴だけでなく、自分の肌の特質なども教えてもらえるため、何となく「美意識」が高まったような気がした。10分ほどでメークが終わり、鏡を見ると新しい自分になった気分にもなる。
プレゼンや商談にニーズあり?
リニューアルしてからは既に数人の男性が体験し、中にはフルメークを体験した人もいるという。多くがビジネスパーソンだったとのことで、プレゼンや商談といった場で「自分をよく見せたい」というニーズがあるようだ。
男性向け化粧品は、じわじわと市場を広げている。富士経済の調査によると、09年には1000億円規模だった市場は19年見込みで1196億円。10年ほどで20%近い伸びを見せている。生活雑貨店「ロフト」の発表によると、「メンズケア」カテゴリーの売り上げは18年まで7年連続で伸び続けているという。19年4月には、全国のロフトで男性向け化粧品にクローズアップした「2019 Cosme Festival For Men」を初開催した。
アイスタイルが1月10日にオープンした「@cosme TOKYO(アットコスメトーキョー)」でも、男性向け化粧品を集めたコーナーを新設するなど、各小売り店は男性層の取り込みに熱を上げている。
体験型だけでなく、男性層の取り込みにも注力したマツキヨの新店舗。池袋の新たなランドマークか、男性向け化粧品の聖地か、どのような立ち位置を獲得していくのだろうか。
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