日本企業のCEO、2020年における「自社の成長」に世界一悲観的 世界平均は?:自信なしのトップ層
世界各国のCEO意識調査が発表。2020年における自社の成長について、日本企業のCEOは世界一自信がないようだ。世界各国の平均はどうだったのだろうか。
PwC Japanグループは1月21日、「第23回世界CEO意識調査」の、日本に焦点を当てた分析結果を発表した。
これによると、2020年の世界経済に関する見通しは、悲観的な回答が多かった。今後、経済成長が「改善する」と回答した人は日本企業CEOのうち12%。「減速する」と回答した人は68%で、前回調査の27%から大幅にポイントを上げた。
世界全体でも、悲観的な見方が多いようだ。「改善する」と回答したCEOは前回調査の42%から22%へほぼ半減。中国企業のCEOのみ例外で、「改善する」と回答した人(84%)が「減速する」(9%)と回答した人を上回った。
自社の成長見通しについても、同様に悲観的なCEOが多かった。20年における自社の成長について「非常に自信がある」と回答したCEOは、世界全体の27%。前回調査から8ポイント下がった。
最もポイントが高かったのは、中国で45%。次いで、インドが40%、米国が36%だった。日本は最も低く、11%にとどまった。
自社の成長に対する脅威には、日本企業CEOの半数以上が「鍵となる人材の確保」(53%)を挙げた。少子高齢化が進行する中で、各企業が人材の取り合いになることからCEOの危機感も募っているようだ。他にも、「技術変化のスピード」(47%)、「貿易摩擦および不透明な経済見通し」(45%)などが懸念材料に挙がった。一方、世界全体では「過剰な規制」(36%)がトップだった。
第23回世界CEO意識調査は19年9〜10月の期間で、世界83カ国のCEO1581人を対象に電話、インターネット、郵送または面談のいずれかの形式で行った。
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