Uber Eatsに負けないために老舗の出前館はどのようなサイト改修を行っているのか:競争が激化(1/2 ページ)
食品宅配市場が急成長している。Uber Eatsの上陸で出前館は危機感を強めている。認知・集客のカギであるサイト改修をどのようにしているのか。
食品宅配サービスの需要が伸びる一方で、競争が激化している。矢野経済研究所の調査によると、2018年度における食品宅配の市場規模は2兆1399億円。14年度から一貫して右肩上がりで増えている。23年度には2兆4000億円を突破すると同研究所は予想している。
16年にはUber Eats(ウーバーイーツ)が日本に上陸したことで、競争環境が変わりつつある。老舗の出前館は、どのように対処しようとしているのか。認知・集客のカギとなるサイトの改修に関する施策を執行役員の鈴木孝知氏(プロダクト開発本部 統括本部長)に聞いた。
SEOが強かった
17年頃まで、サービスの認知に関して出前館は恵まれた環境にあったという。お客が検索エンジンで「出前」や「デリバリー」と入力すると、出前館が常に上位に出てきたからだ。
デリバリーサービスの老舗であり、サイトを使い慣れているヘビーユーザーも多かったので、UI(ユーザーインタフェース)を抜本的に見直す必要もなかった。
しかし、ウーバーイーツの存在感が高まったり、ファミレスチェーンなどが自社のデリバリーサイトを強化したりするようになると、競争環境は大きく変わった。お客がさまざまなサイトを比較するようになったからだ。ヘビーユーザーに配慮しつつ、新規顧客を引き付けるようなUI改善が急務になっている。
出前館ではサービスの認知度を高める施策を強化している。テレビCM、デジタル広告、交通広告、チラシ投函が柱だ。タレントの浜田雅功氏を起用したのも、広告宣伝に並々ならぬ力を入れる同社の姿勢を表している。18年8月期に8億3400万円だった広告宣伝費は、19年8月期には16億3200万円に増えている。
広告宣伝費を増やす一方で、より検索上位に出てくるためのサイト改善も出前館は同時に進めている。
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