社内向け動画を全世界へ発信 エン・ジャパンの「社内YouTuber」しみねえの挑戦:脱「お堅い会社」(1/2 ページ)
エン・ジャパンに「社内YouTuber」がいる。YouTuberはインフルエンサーとも呼ばれ、HIKAKINをはじめ、はじめしゃちょーなど認知度が高い人材も数多く生まれている。一方、エン・ジャパンのように社内向けの企画は数少ない。いったいどんな狙いで始めたのか?仕掛け人に聞く。
YouTuberという言葉が一般的になりつつある。商品紹介やニュース解説、はたまた面白企画など、自由自在に動画を投稿し、世界中へ発信する。こうした活動を行うYouTuberはインフルエンサーとも呼ばれ、HIKAKINをはじめ、はじめしゃちょーなど認知度が高い人材も数多く生まれている。YouTube内だけでなく、テレビCMなどでも目にすることが増えてきた。もはや「タレント」と呼んでも差し支えないだろう。
一方で、YouTubeを「対外的」に使うのではなく、新しい使い方をする企業がある。転職サイト「エン転職」などを運営するエン・ジャパンだ。同社では、広報担当の社員が「YouTuber」としてチャンネルを開設。従業員のエンゲージメントを高めるなどの目的で、主に社内向けに動画配信を行っている。当初は従業員のみへの公開だったが、反響を受けて現在では社内外を問わず視聴できるようになっている。
広報活動やマーケティングの一環として使うことの多いYouTubeで、なぜエンゲージメントを高めようと思ったのか。同社公式チャンネル「しみねぇのWelcome エン・ジャパン」のパーソナリティーを務める清水朋之氏と、ブランド企画室長を務める河合恩取締役に話を聞いた。
脱「お堅い会社」
エン・ジャパンでは、YouTube動画を公開する以前にも、社内報「ensoku!」を社外に公開していた。河合氏は「外からは『お堅い会社』だと思われている節がある。それが、リクルーティングの壁となってしまうケースもあった。一方で、内情は『お堅い』ということはない。『いい人』が多く、雰囲気がいい。積極的に情報公開することで、カルチャーを発信していきたいと考えた」と河合氏は話す。
YouTubeは、従業員が会社の理解を深め、エンゲージメントを高めるために始めた。エン・ジャパンには非常に数多い職種がある。社内公募だけでもポストは50以上。また、部署の増設は現場の裁量に合わせているため、どんどんと部署が増えていくのだという。「名前は知っていても、実際にどんな仕事をしているのか分からないポストが多い」と清水氏は話す。
また、社内の情報などを広報から毎週メールで告知していたが、「文字はなかなか読まれない」(河合氏)。そこで、社内の仕事に対する理解を深めたり、どんな背景を持つメンバーがいるのかを知ってもらったりするために新たな情報発信をすることに。
発信方法については社内ラジオを放送している部署があり、ラジオも検討したという。しかし、コスト面やスマホ1台で動画撮影できるというハードルの低さから、YouTubeを選んだ。
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