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楽天、「送料無料問題」で方針転換? それでも強気「公取は分かっていない」「影響あるのは8%」:送料無料化を再定義(2/2 ページ)
楽天が2019年12月期決算を発表した。売り上げ収益は前期比14.7%増の1兆2639億円。営業利益については、同57.3%減の727億円。純損益は318億円の赤字で、8年ぶりの赤字となった。また、波紋を広げる楽天市場の送料無料にも言及。これまでの「送料無料」という表現から、やや打ち出し方を変えるようだ。
三木谷社長「公取は理解していない」「影響あるのは8%」
楽天の発表では、公取委からの調査通知で関係法条として「独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号)」の提示があったとしている。同法条は、自らの立場を利用し、商習慣に照らして不当な行為などを行ういわゆる「優越的地位の濫用(らんよう)」に関するものだ。公取委は楽天が送料無料を出店者らに強いる施策だと判断し、問題視したとみられる。しかし、あくまで価格表示を是正するという観点から「価格をわれわれの裁量で左右しているつもりはないし、優越的地位の濫用には当たらない」と三木谷社長は重ねて主張。「時代の流れはフリーシッピング(送料無料)。こうした消費者の流れを、必ずしも当局が理解しているかというと、そうは思えない」と“三木谷節”も披露した。
また、楽天側のデータによると、既に送料を無料(=送料込みの商品価格)としている商品の注文は、楽天市場全体の8割を占めるという。残りの2割から、出店者らの意見をヒアリングした結果に施策対象外とした商品や地域を除外すると、“送料無料化”で影響を受ける注文は全体の8%だと主張した。
Amazon追随のためにも必要なピースである、今回の施策。開始予定まで残り1カ月ほどとなったが、どのような結末を迎えるのだろうか。
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