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社内報の名前は「月刊はらわた」 ドンキ運営会社のPPIHが「幹部への文句」をそのまま掲載する理由:求める人材像にもマッチ(2/3 ページ)
ドン・キホーテなどを運営するPPIHが社内コミュニケーションを強化。社内報の「月刊はらわた」を活用している。従業員から寄せられた幹部に対する文句も掲載している。
幹部に対する文句も社内報に掲載する
月刊はらわたの内容は社外に公開されていないが、広報担当者によると「経営陣のコメント、営業施策、新店情報、商品情報、従業員の声など」が掲載されているという。このコメントだけだと、一般的な社内報と変わらない印象を受けるが、PPIHは経営陣にとって“耳の痛い話”も積極的に掲載しようとしている。
PPIHは19年11月に社内アンケートを実施した。すると、現在の評価システムをネガティブに捉えている従業員が半分いることが判明した。しかも「幹部に対する文句が結構ある」(吉田社長)ことも分かったという。
しかし、吉田社長はそういった意見を“封殺”するのではなく、アンケート結果を月刊はらわたで紹介したという。経営陣に「改善しなければ」と意識付けする意図があると吉田社長は明かす。従業員から寄せられた批判的な意見の内容については「外部に公開しておりませんので、ご容赦ください」(広報担当者)とした。
ユニーで実施された合宿内容も掲載
PPIHはユニーの従業員を巻き込んだ合宿を1月に行っている。今後のユニーをどのようにしていくかを「ざっくばらんにいろいろ話した」(ユニーの関口憲司社長)という。合宿で話し合われた内容は月刊はらわたに2カ月連続で掲載する。ドンキ出身の関口社長は、ユニー社内の情報開示を進める必要性があると考えており、従業員とのスモールミーティングを50〜60回実施している。また、社長室直行便という仕組みも導入しており、2000件近い意見や質問を受け付けた。
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