「7畳の学生寮」に住む大学生が増えている、いくつかの理由:水曜インタビュー劇場(狭い公演)(3/6 ページ)
首都圏を中心に、「学生寮」がじわじわ増えていることをご存じだろうか。どんな間取りなのか気になって取材したところ、そこはとても「狭く」て……。
食堂はカフェのような雰囲気
土肥: では、次に学生寮のナカを見せていただけますか。現在、私たちは、西武池袋線の椎名町駅から徒歩10分ほどのところにある「キャンパスヴィレッジ椎名町」にいまして、ここは6階建てで、167室ありますよね。正面入り口をくぐり抜けると、食堂がある。否。食堂ではなくて、カフェのようなオシャレな雰囲気が漂っていますよね。座っていると、カプチーノとミルフィーユが出てきそう。
玉置: ここで朝と晩に食事をとることができます(平日のみ:月1万7000円、税別)。学生さんの健康にも配慮して、栄養士さんが食事のメニューを考えているんですよね。
土肥: どれどれメニューを見せてください。「しいらのチーズ焼き、ピーマン肉詰めフライ、スナップエンドウの洋風和え」「具沢山豚汁&鰆の塩焼き、ミニメンチカツ、白菜としめじの生姜和え」など、一人暮らしではなかなかつくることが難しいメニューが並んでいますね。
玉置: それまで親と一緒に暮らしていて、食事をつくったことがない。そんな学生が多いようで、入居者のほとんどがこのカフェを利用しています。ただ、自分で料理をつくったり、バイト先でまかない料理を食べたり、部活動が終わってそのまま学食で食べたりする人が増えて、利用者は少しずつ減少していくといった感じですね。
では、次に各フロアーにある共有スペースを見ていただけますか。2階は「ニューヨークスタイル」、3階は「ウエストコーストスタイル」といった名前が付いていて、コンセプトが違うんですよね。ニューヨークスタイルであれば、現地をイメージしたデザインになっていて、そこにキッチンを設置しています。「自分で料理をつくりたいな」「ちょっと小腹が空いたな」といったときに、ここで料理をすることができます。
また、各共有スペースにテーブルと椅子を用意しているので、ここで食事を楽しむこともできます。部屋は個室になっているので、「友だちと会話をしたいな」と思ったときに、ここでコミュニケーションをとっている光景をよく目にしますね。
土肥: 昔の学生寮であれば、こうしたスペースに麻雀牌があったり、ビール瓶がころがっていたり、タバコの吸い殻がたくさんあったりしそうですが、ここにそーした“アイテム”はないですね。
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