「7畳の学生寮」に住む大学生が増えている、いくつかの理由:水曜インタビュー劇場(狭い公演)(4/6 ページ)
首都圏を中心に、「学生寮」がじわじわ増えていることをご存じだろうか。どんな間取りなのか気になって取材したところ、そこはとても「狭く」て……。
部屋は「狭い」
玉置: では、部屋のナカを紹介しますね。ちなみに、カードキーになっていて、部屋に入るには3つのセキュリティーがあるんですよね。エントランス、各フロアー、部屋――いずれもカギをかざさなければ入ることができないので、「安全面を考えて、ここに決めた」という人もいました。
土肥: (部屋のナカに入る)玄関を入ると、右にクロークがあって、その隣に洗面台がある。左手にはトイレとシャワールームがセパレートになっている。廊下を2〜3歩進むと、ベッドがあって、その向かいにデスクとイスがある。そして、バルコニーがありますね。
玉置: ベッド、机、イス、照明、カーテンなどに加えて、インターネットも無料になっています。
土肥: 18年に建てられたので、新しさと清潔感は漂っていますが、正直に言って「狭い」ですね。整理ダンスなどを置くと、床でゴロンとできるスペースはなさそう。
玉置: 広さは12〜15平米なので、「狭い」ですね。家賃は5万5000〜7万7000円(共益費1万8000円)でして、周囲のワンルームマンションやアパートの賃料と比べてどうなのか。ここと同じくらいの価格で、25平米ほどのところで暮らすことができる。このような話をすると、「じゃあ、広いほうがいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、こちらの物件は共有スペースがたくさんある。
土肥: 部屋にキッチンがなくて、洗濯機を置くスペースもない。
玉置: 先ほどご紹介したように、各フロアーにキッチンがあるので、料理をする場合はそこで。1階にランドリールームがあるので、洗濯をする場合はそこで。昔の学生寮といえば、風呂とトイレが共用といったイメージがあるかもしれませんが、ここは違う。部屋は個室で、風呂とトイレはある。あと、門限がありませんし、掃除当番もありません。カフェでは不定期にイベントを実施していまして、参加するのも、しないのも自由。「おもしろそうだなあ」と思ったイベントだけ参加できるので、この物件に住んでいる人たちとゆるーくつながることもできるのではないでしょうか。
従来のワンルームマンションだと、住民とつながることって難しいですよね。隣に誰が住んでいるのかよく分からない、といったケースも珍しくありません。朝と晩に食事を出してくれるところも、ほとんどありません。ワンルームマンションとこの物件を比べて、「どちらが自分のライフスタイルに合っているのか?」と考えるきっかけができることも、いいことなのかなあと思っています。
関連記事
- 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 50年経っても、なぜ霞が関ビルは存在しているのか
日本で初めて高さ100メートルを超えた高層ビル「霞が関ビルディング」が、完成して半世紀を迎えた。古くなった建物は壊すケースが多いのに、なぜ霞が関ビルは一度も建て替えてこなかったのか。三井不動産の担当者にその理由を聞いたところ……。 - なぜ駅ナカで鼻毛を抜こうと思ったのか 「3分 1000円」の世界
駅ナカで鼻毛脱毛を行っている店が、ちょっと話題になっている。店名は「ekibana(エキバナ)」。3分1000円で鼻毛を抜いてくれるこの店は、どのような特徴があるのか。話を聞いた。 - 子どもの数は減っているのに、なぜ「恐竜博」で110分待ちになるのか
国立科学博物館で開催されている「恐竜博2019」が、人気を集めている。9月の3連休には、最大110分待ちのときも。子どもの数は減っているのに、なぜ恐竜を見るために行列ができるのか。恐竜博の監修を務めている真鍋真さんに話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.