生まれ変わる“アイドルイベントの聖地” サンストリート亀戸の特性を引き継ぐ大型施設とは?:野村不動産が掲げる「地域共生」(2/2 ページ)
野村不動産は、2016年に閉館した「サンストリート亀戸」の跡地再開発プロジェクトの概要を発表。高層マンションや大型商業施設などを整備する。多くのイベントを開催してきたサンストリート亀戸のDNAを継承しながら、地域のニーズに合った複合開発を進める。
商業施設の規模はサンストリート亀戸の1.5倍
大型商業施設の開発については、野村不動産の商業開発における新たなフラッグシップと位置付ける。前身のサンストリート亀戸と比較すると、延べ床面積は1.5倍の約5万8000平方メートル、店舗数は3倍の約150店舗を予定している。
施設は地下1階から4階の5フロアで構成。「地域No.1“食”市場」を掲げて、大型スーパーや生鮮食品の専門店が店舗を構えるほか、フードコートやキッズパークなども設ける。
2月19日に開いた発表会で、同社の宮嶋誠一社長は「サンストリート亀戸が多くの人に親しまれた理由は、オープンな施設だったこととたくさんのイベントを開催していたことにある。それを継承することは重要。モノだけでなく、“トキ”を有意義に消費してもらえる施設にしたい」と話した。
施設の商圏については、日常生活での利用を想定する「1次商圏」(車や自転車で10分以内)として24万人、半径5キロ以内の「2次商圏」を含めると72万人になるという。執行役員の宇佐美直子氏は「施設の周辺は人口増も見込めるエリア。サンストリート亀戸は年間1000万人が来館していたと聞いている。それを超えるような施設になれば」と語った。
「地域共生型」を掲げる今回のプロジェクトでは、施設が完成した後も、住宅棟に野村不動産の拠点を構えるなど、街づくりとの関わりを持ち続けるという。拠点は、地域住民を交えた交流の場として機能させる。「ただ建物を建てるだけではなく、地域の方と一緒に街をつくっていく」(宮嶋社長)ことを念頭に事業を進める考えだ。
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