2019年、東京の街に現れた「新ビル」を振り返る 20年以降は“新駅”周りが変わる:渋谷、池袋で商業施設続々(1/3 ページ)
2019年の東京は、20年、そしてその先を見据えた再開発プロジェクトによって、超高層ビル、新商業施設などの整備が進んだ。今年、新たに開業した施設と街の変化を振り返る。
変わる東京 進化の中で残る“強み”
再開発が加速する東京。目まぐるしく時代が移り変わっても、ずっと残ってきたものにはどんな背景があるだろうか。ときには姿を変え、ときには古いものを守りながら、新しい時代を迎えた街や建物のストーリーと、将来への戦略を探る。
2019年の東京は、20年、そしてその先を見据えた再開発プロジェクトがめじろ押しだった。超高層ビル、新商業施設、新駅などの整備が進むと、見慣れた街の景色も変わってくる。今年、新たに開業した商業施設を中心とする新ビルを振り返ると、都心の変化が見えてくる。
高さ230メートルの展望が目玉「渋谷スクランブルスクエア」
19年、新しい施設が続々とオープンし、特に変化があったのが渋谷エリアだ。東急グループによる大規模再開発を中心に、近年変化が著しい。
11月1日、新たなランドマークとなる超高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」の第1期となる東棟がオープンした。目玉は地上約230メートルの展望施設。約2500平方メートルの屋上展望空間を備え、開放的な眺望を楽しめるスポットを提供している。地下2階から地上14階の商業施設では全212店舗ものファッションや飲食のショップが営業を開始。産業交流施設も備えている。
12月5日には、「渋谷フクラス」の中核商業施設として「東急プラザ渋谷」がオープン。建て替え前の「東急プラザ渋谷」に思い入れがある人たちをはじめとする40代以上の顧客を重視し、あえて“大人のための施設”を打ち出した。5階には、「人生100年時代」をキーワードにしたサービスを提供する店舗を集めたフロアも設けている。
3年間の建て替え期間を経て、11月22日にオープンした「渋谷PARCO(パルコ)」も、“次世代型”という言葉を掲げた独自性のあるコンセプトや店舗で注目を浴びた。その一つが、ECとリアル店舗を融合させたオムニチャネルショップ「PARCO CUBE(パルコ・キューブ)」。そこでは、店頭などに設置したタブレット端末を通じて、自分のスマートフォンから商品を購入することもできる。他にも、人工知能(AI)などの最新テクノロジーを活用した仕掛けをちりばめた施設となっている。
関連記事
- 日本一の330メートル高層ビル、森ビルが着工 “超高層”は今後10年で大きく変化
森ビルは8月5日、虎ノ門・麻布台地区に高さ約330メートルの超高層ビルなどを建設する大規模再開発事業に着工。完成時点で日本一の高さのビルになる。一方、それを上回る390メートルのビルの建設計画もあり、超高層ビルの様相が変わっていきそうだ。 - 変わりゆく池袋 “暗い、怖い、汚い”を一掃する再開発、意外な2つのポイント
東京・池袋の街が大きく変わろうとしている。11月は「ハレザ池袋」のオープンや池袋西口公園のリニューアル、「イケバス」の運行開始など、変化が続いた。再開発プロジェクトが進んできた背景には、大きなきっかけがある。2つのポイントで読み解くと…… - 若者の街・渋谷で、東急プラザが“大人向け”に注力するワケ
東急不動産は12月5日、渋谷駅西口の再開発ビル「渋谷フクラス」内に「東急プラザ渋谷」をオープンする。建て替え前の顧客など、40代以上の“成熟した大人”がターゲット。ライフスタイル提案など、大人のニーズに合った店舗を展開する。 - “日本×台湾”の書店が面白い「誠品生活日本橋」 交流を生み出す仕掛けとは
三井不動産は9月27日、東京・日本橋の商業施設「COREDO室町テラス」をオープンする。書店を中心とした台湾発のライフスタイル提案型店舗「誠品生活」が日本初出店。多様な人やモノが集まる街・日本橋の象徴の一つとなりそうだ。 - 「グランベリーパーク」の来館者数が100万人突破 週末の平均滞留時間も明らかに
11月13日に開業したアウトレット複合商業施設「グランベリーパーク」。11月25日に来館者数が100万人を突破した。時間消費を求めるお客のニーズともマッチしたようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.