ローソンが初の「リモート記者会見」を実施 参加して分かったメリットとデメリット:各社の対応が分かれる(2/2 ページ)
ローソンが初めてリモート記者会見を実施した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため。リモート記者会見の実施方法は各社によって異なる。
記者がどんな質問をするのか丸見え
質疑応答の時間が近づいてきた。そこで、プレゼンテーションの音声を聞きながら、質問事項を記載するURLにアクセスしてみた。すると、すでに何人かの記者が質問を投稿しているのが確認できた。通常、それぞれの記者がどんな質問を行うかは、質疑応答の際に指名されるまで分からない。今回は、質問内容が他の記者にもローソン側にも“丸見え”になっている。あくまで一般論だが、この方式だと、企業側にとって都合の悪い質問や意見は黙殺される可能性がある。
一通りプレゼンテーションが終わり、質疑応答の時間になった。通常の記者会見と違うのは、既に投稿されている質問を司会が選び、経営陣や商品担当者が回答する点だ。一般人から寄せられた質問と記者から寄せられた質問に経営陣や商品担当者らが回答し、質疑応答は終わった。
リモート記者会見のメリットとデメリット
今回のリモート記者会見には、どんなメリットとデメリットがあるのだろうか。
どんな場所からでも会見に参加できるので、企業のメッセージがより多くの人に届くようになる。これは、メディア(今回のケースでは一般人含む)と企業の双方にとってメリットとなるだろう。また、今回は会場を既に手配してしまっているが、一般的にリモート記者会見を実施すると、会場を用意するコストが抑えられる。
一方、新商品を間近で観察できなかったり、経営陣や商品担当者と直接やりとりできなかったりするのは、デメリットだと感じた。リアルタイムで行われる質疑応答や囲み取材は、企業が伝えたいメッセージと記者が抱く疑問の“ズレ”を解消するのに役立つからだ。
2月下旬〜3月にかけて、吉野家などが記者発表会を相次いで中止している。一方、日産自動車やローソンのように、リモート記者会見に切り替えている企業もある。リモート記者会見の内容は、一般人にも公開されるケースもあれば、メディア関係者だけに限定して公開されるケースもある。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各社の模索が続いているようだ。
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