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コロナ問題で気になる「鉄道の換気」の秘密 今こそ観光列車に乗りたいワケ:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)
鉄道事業者の新型コロナウイルス対策は「通勤電車での感染予防」と「減便」の2つ。通勤電車の換気のための「窓開け」にも歴史がある。一方、通勤電車とは違って、特急列車を運休するのは乗客の減少に対応するためで、集団感染の危険が高いからではない。
鉄道事業者の新型コロナウイルス感染症対策は主に2つだ。1つは通勤電車の窓を開けて換気し、時差通勤を呼びかける。通勤電車に乗っていると、普段とは違う冷たい風が吹き抜けている。実感された方も多いだろう。
もう1つは減便だ。JR東海は3月19日から31日まで、東海道新幹線の臨時列車192本の運休を決めた。臨時に増便する列車だから、正確には運休ではなく中止だと思うけれども、東海道新幹線の場合、「毎週○曜日に走る」など毎日走らない列車も臨時扱いだから、運休と呼んで差し支えない。JR北海道は定期運行の特急列車も運休を決めた。この2社だけでなく、全国の鉄道事業者で臨時列車、観光列車の運休や中止が告知されている。
この2つのリスク対策は理由が異なる。通勤電車の窓開けと時差通勤は「集団感染」の対策である。列車の運休は「乗客減による収入減」の対策だ。イベントの中止、観光施設の休業によって、利用者が減っている。空席だらけの列車を走らせれば赤字になる。だから走らせない。
つまり、列車の運休と集団感染は直接的な関係はない。何でもかんでも新型コロナウイルスが原因だと怖がったりしないで、冷静に判断してほしい。
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